▲写真は表彰式の模様、ロゴマーク
県内産業の振興や地域活性化に寄与した中小企業を表彰する「宮崎中小企業大賞」で、宮崎県は2025年度の大賞に株式会社池上鉄工所(延岡市)、株式会社SUNAO製薬(宮崎市)、有限会社ボールパークドットコム(宮崎市)の3社を選定した。11月7日に県庁で表彰式を行い、河野俊嗣知事が各社の取り組みを称えた。
宮崎中小企業大賞は、県内事業所の大部分を占める中小企業のうち、産業振興や地域経済の活性化に特に寄与している企業を表彰するもの。県内企業への県民の理解を深めるとともに、優れた取り組みを広く紹介し、本県経済の活性化を図ることなどを目的として、07年度に創設された。24年度までに60社が受賞している。
表彰式で挨拶に立った河野知事は、受賞各社の地域経済への波及効果やオンリーワンの取り組みに敬意を表するとともに、都市部と比較して中小企業、小規模事業者が多い本県に於いて「皆さんの取り組みがモデルとなり、こうした企業を増やしていくことで、本県の経済全体をさらに元気にしていきたい」と期待を込めた。
「製缶・溶接」「機械・仕上」「工事・配管」「メンテナンス」を柱に、設計・製作から施工までを一貫して手掛ける生産用機械器具製造業の池上鉄工所(松田拓也代表取締役)は、多様な有資格者が多数在籍。日本溶接協会が主催する全国溶接技術競技会で社員が上位入賞を果たすなど、鉄工業で全国トップクラスの技術力を誇る。
目には見えにくい職人の経験や手技・段取りを次世代に伝承しつつ、生産の効率化によって技術者の真価を発揮させるため、タイムラプス等のデジタル技術を積極的に活用。特徴ある会社ホームページや、職人が制作した溶接アートをSNSで発信するなどのブランディングで、従来の鉄工所のイメージを覆す情報発信を続けている。
知事との歓談で松田社長は、こうした取り組みを紹介したSNSで大きな反響があったことや、ブランディングが若手の採用にも繋がり、以前は全く採用できなかった高校生が、ここ5年で20人採用できたことを説明。「厳しい時代ではあるが、見せ方、やり方を変えて、発信するだけで、まだまだ出来ることはある」と意気込みを述べた。
■ロゴマークを決定
宮崎県は、「宮崎中小企業大賞」の認知度及び受賞企業の企業価値向上を図るため、広くロゴマークを募集していたが、応募のあった91作品の中から、県立宮崎工業高等学校3年生の菊地玄樹さんの作品を最優秀賞作品に決定した。
菊地さんの作品=別図=は、企業の安定性や成長性、宮崎そして未来への希望をイメージ。中小企業の発展と地域貢献を願うロゴマークとした。今後制定する使用規程に従い、受賞企業の企業価値向上及び本大賞の認知度向上を図るために広く活用する。