▲写真は講評する坂下会長、審査、参加した生徒達
一般社団法人宮崎県建築業協会(坂下輝男会長)は、県内の中高生を対象とした2025年「宮崎県木工デザイン甲子園」の最終審査会と表彰式を10月26日に宮崎市内で開いた。作品の出来映えや作品に込めた思いなどを踏まえて厳正な審査を行い、各部門の最優秀賞及び優秀賞を受賞した生徒に、坂下会長が表彰状と記念品を贈った。
大会は、建築業界に於ける慢性的な人材不足を背景に、未来を担う若者達に自由な発想でものづくりに挑戦してもらい、建築業界やものづくり産業に興味を持つきっかけとなるよう開催しているもの。宮崎県教育委員会や宮崎市教育委員会などが後援した。
今大会では「こんなの欲しかった収納アイテム」を課題に掲げ、県内の中学校及び高等学校に在籍する生徒を対象に、個人またはグループで設計・製作すること、作品の大きさを60㎝四方以内に収めること、製作時間を延べ24時間以内とすることなどを条件とした。使用する材料は各自で用意し、木材の種類や仕上げは自由とした。
最終審査では、中学生の部の1作品、高校生の部の5作品について、坂下会長をはじめとする審査員が独創性やアイデア、機能性、課題との整合性のほか、作品へのこだわりや思いを含めて厳正な審査を実施。中学生の部の最優秀賞に「おしり倉庫」、高校生の部の最優秀賞に「メリーゴーランド」をそれぞれ決定した。
宮崎市立清武中学校3年の男子生徒が製作した「おしり倉庫」は、椅子の脚部分に収納を設け、持ち運びのしやすさも考えて底部にキャスターを装着した。座るだけでなく、自分の大切なものをいつも近くに貯蔵できる、という意味を込めて作品を名付けた。設計で間違ったり、ネジ打ちに苦労するなどして完成させたという。
一方、県立宮崎工業高等学校2年の男子生徒は、メリーゴーランドの様に回転させることができるペン立てを製作。「高校生になって様々なペンを使うようになり、筆箱で目当てのペンがなかなか見つからずに困ることがあった。そんな時に頭の中に思い浮かび、この作品を造ろうと考えた」と意図を説明した。
このほか、高校生の部の優秀賞は、県立都城工業高等学校3年生のグループが製作した「変化を楽しむ収納棚」と同じく「アドベンチャーボックス」の2作品が受賞。県立宮崎工業高等学校2年生の男子生徒が作成した「いたんす」と同じく「折畳式豆腐BOX」に参加賞を贈った。
講評で坂下会長は、各作品を手に取りながら、良かった点や改善点を説明。「木には様々な種類があり、それぞれ特性が異なる。そういった点も勉強しながら、来年も是非応募してもらいたい」と期待を込めた。同協会では、多くの学生が参加しやすくなるよう仕組みを整え、来年度以降も大会を継続していく考えでいる。