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献花式で魅力ある業界構築へ誓い 日向地区建協青年部

      

▲献花式の模様

 2020年9月に椎葉村内で大規模な土砂崩れが発生し、株式会社相生組の事務所や隣接する家屋等が被災した現場で、9月5日に献花式が行われた。日向地区建設業協会の青年部員や相生組の相生秀樹社長、関係者ら約20人が黙祷を捧げ、青年部員を代表して尾前壱成さんが花を手向けたのち、焼香を行って被災者の冥福を祈った。

 5年前の台風10号が本県に最接近した6日夜、椎葉村下福良では長さ約200m、幅20~40mにわたって大規模な土砂崩れが発生。同社の事務所や家屋等が土砂に飲み込まれ、社長の妻・相生勝子さんと息子で専務の泰孝さん、ベトナム人技能実習生のチャン・コン・ロンさんとグエン・ヒュー・トアンさんが行方不明になった。

 献花式で青年部の長谷川雄基部長は、「泰孝さんをはじめ4人が犠牲になった被害から5年が経過しようとしている。その間、ドボクスタディセッション等を通じて、泰孝さんが目指していた業界に近づいてきている」と述べ、泰孝さんの意思を引き継ぎ、担い手の確保や魅力ある土木業界にしていくための活動を継続していく考えを示した。

 相生社長は、「5年経っても忘れることはできない。災害はいつ起きるかわからない。自然災害の怖さや取り組みを若い世代に認識してもらい、伝えていきたい」と述べた。

 献花式後に開催した講習会では、宮崎県日向土木事務所の中村康輝副主幹が、生前に泰孝さんと取り組んできた施工性向上の取り組みや経緯を説明。発注者・コンサル・施工業者の三者が唯一共有できる図面を使って、やりがいを創出することを提案した。参加した青年部員達は、魅力ある土木業界にしていくため、それぞれ意見を交わした。