▲基本構想で示した整備計画図
延岡市は、延岡植物園のリニューアルに向けた基本構想案をまとめ、ホームページで公開した。市民はもちろん、観光誘客が多く見込める「オシャレで楽しい緑の空間」として生まれ変わるため、管理棟やみどりの相談所、温室等の建て替えを計画するとともに、イベント等に利用可能なエントランス広場の整備、充実した広場空間の整備、トイレ及び駐車場のユニバーサルデザイン化などを段階的に実施する。
延岡市天下町に位置する延岡植物園(以下、植物園)は、1987年の開園以降、花と緑の供給基地として市内の緑化を進め、住みよい町を作る拠点としての役割を担ってきた。また、自然と融合した緑の中のレクリエーション広場としての機能を有し、「市民の憩いの場」として多くの市民等に利用されてきた。
そうした中で高速道路が整備され、東九州自動車道と九州中央自動車道が交わる延岡インターチェンジの近くという絶好のロケーションとなったが、その「地の利」を活かすことなく、社会的なニーズや価値観の変化、施設の老朽化等を背景に来園者数が減少傾向にあり、貴重な財産を活かしきれていない状況が続いている。
こうした現状を踏まえ、市は2021年度から植物園の関係者や各界の代表者、有識者、公募委員などで構成する植物園魅力アップ検討委員会を立ち上げ、植物園の魅力をさらにアップさせるための検討を実施。さらに、若者が描く魅力あるまちづくりミーティングでの意見も参考に、施設整備の方向性などを基本構想案としてまとめた。
基本構想案では、①延岡市全体の観光振興及び地域経済の活性化となるような魅力ある植物園②若年層にとって魅力的でエキサイティングな植物園③植物園の機能は維持しつつ、新たな機能を追加して一日中過ごせる植物園④日常的に利用している地域の利用者にも配慮⑤民間活力の導入を図り管理経費を削減―をリニューアルの基本方針に設定。
基本方針を実現するため、「魅せる」「憩える」「遊べる」の3つの機能をコンセプトに、施設全体を▽拠点ゾーン▽鑑賞ゾーン▽体験ゾーン▽挑戦ゾーン▽活動ゾーン―の5つの区域にゾーニングしてリニューアルを行う。範囲や工種が多岐にわたることから、第1期と第2期以降に分けて段階的に施設の整備を進める。
このうち第1期の施設整備では、①トイレ及び駐車場施設の整備②エントランス・拠点施設の整備③充実した広場空間の整備―を実施。①に関しては、トイレの増設や洋式化、オストメイト設備の導入のほか、拠点施設へアクセスしやすいよう、駐車場を拡幅する。これらの施設整備にあたっては、ユニバーサルデザインにも配慮する。
②に関しては、みどりの相談所やカフェ等を併設した拠点となる複合施設を整備するとともに、「公園の顔」としてふさわしいエントランスの整備、イベント広場及び民間活用広場の整備を実施。③に関しては、来園者が広々と遊べ、イベントを開催できる広場(見守りスペース・日除け屋根・インクルーシブ遊具・ミスト広場等)の整備を行う。
第1期整備が完了するまでの期間に於いても、植物園の魅力アップを推進するため、SNSによる情報発信や集客イベントの開催等といったソフト事業を実施する。事業者の公募にあたっては、今後の基本詳細設計及び第1期整備工事の監修業務を含めたうえで事業主体を決定し、設計段階から民間事業者のノウハウ等を反映させる。
概算事業費と想定スケジュールは、▽25年度=基本計画策定(800万円)▽26~28年度=PR・イベント企画運営(4800万円)▽26~27年度=トイレ・駐車場等整備工事(2830万円)▽26~27年度=基本詳細設計(5000万円)▽28~30年度=拠点施設・広場等整備工事(7億6170万円)―を想定。31年度以降の管理・運営経費は、年間3000万円程度を見込む。
リニューアルに際して、当初想定していた「Park-PFI」による民間事業者の参入に関しては、サウンディング型市場調査で「現時点で厳しい」との意見が寄せられたが、最低限の施設改修等を行政が負担して「指定管理者による民間活力の導入」については参入の可能性が確認できたことから、こうした意向を踏まえて官民連携を図る。
一方、第2期以降の整備予定区域では、キャンプ場やバーベキュー広場、果物・野菜園、花畑広場、園路・階段・柵の整備、ドッグラン、草スキー、ジップライン等を想定するが、第1期整備やその間のソフト事業で来園者数が増加し、有利な形で民間活力を導入できる可能性もあることから、具体的なスケジュールは未定としている。
基本構想案はホームページで公開し、市内居住者等を対象に8月6日まで意見を受け付ける。意見書は、企画部経営政策課や各総合支所・各支所の窓口で受け付けるほか、郵送・FAX・メールでも受け付ける。問い合わせ先は、企画部経営政策課政策推進係(電話0982-22-7079、メールkeiei@city.nobeoka.miyazaki.jp)。
《基本構想案》