▲宮崎西警察署のイメージ
宮崎県警察本部は、経年劣化が進む高岡警察署と交通機動隊等が入居する一ツ葉庁舎を統合した宮崎西警察署(仮称)の庁舎整備に係る基本構想をまとめた。国富町運動公園に整備する新庁舎の規模は、本庁舎がRC造5階建延べ約5700㎡、附属棟がS造2階建延べ約2300㎡。施設整備に係る概算事業費は約65億8000万円を見込む。
6月18日に行われた県議会6月定例会の文教警察企業常任委員会で、担当者が基本構想の概要を報告した。
1966年建設の高岡警察署(RC造2階建延べ982㎡)は、宮崎市高岡町飯田の大淀川沿いに位置。経年による施設の老朽化が進むとともに、台風など大雨のたびに敷地内や建物が浸水するなど、水害に対して脆弱な場所に立地していることから、災害時等に於ける警察機能の維持・確保のため、早期の整備が求められている。
一方で、南海トラフ地震による津波浸水被害が想定される一ツ葉庁舎(RC造3階建延べ1753㎡)に関しても、大規模災害発生時に自動車警ら隊や交通機動隊がその役割を十分に発揮できない恐れがあることから、利便性が高く、十分な敷地を確保できる国富町運動公園内に宮崎西警察署(仮称)として統合整備することを決めた。
基本構想では、庁舎整備の基本的な考え方として、「警察庁舎として必要な機能の確保」及び「警察庁舎としての基本的性能の確保」を挙げる。
警察署及び本部執行隊等がそれぞれ持つべき機能や大規模災害等有事における防災拠点としての機能、大規模地震を見据えた耐震性能を確保するとともに、安全性(防災、庁舎・情報セキュリティ、機能維持等)や機能性(利便性、ユニバーサルデザイン、室内環境等)を確保しつつ、環境負荷の低減や周辺環境の保全にも配慮する。
こうした機能備えた新庁舎の規模は、本庁舎がRC造5階建延べ約5700㎡、附属棟がS造2階建延べ約2300㎡。本庁舎には、1階と2階に警察署(窓口担当課、警務課、署長室等)、3階と4階に留置施設及び取調室、5階に交機隊及び自動車警ら隊を配置する。附属棟には、1階に車庫と霊安室、2階に道場と倉庫等を設ける。
現時点に於ける概算整備事業費は、約65億8000万円を見込む。内訳は、工事費が約55億5000万円、設計等委託費が約6億2000万円、用地取得費が約2億9000万円、備品等購入費が約1億2000万円。
事業スケジュールによると、25~26年度に基本・実施設計、27~28年度に建設工事を行い、29年3月の施設完成を目指す。県は、25年度当初予算に「宮崎西警察署(仮称)整備事業」として2億7195万円を計上するとともに、限度額を3億2120万円(支出期間=25~26年度)とする債務負担行為を設定している。