▲写真はスタディセッション
日向地区建設業協会青年部(長谷川雄基部長)は6月20日、日向建設会館で「第6回ドボクスタディセッションinHYUGA」を開催した。セッションには、日向地区建設業協会青年部と宮崎県測量設計業協会の青年部、日向管内の土木系行政職員ら65人が参加し、発注者・設計者・施工者の立場から意見を交わした。
スタディセッションは、青年部が定期的に開催している宮崎県日向土木事務所との意見交換会を発展的にスピンオフさせたもの。官民の関係者が一堂に集結し、技術研修や情報交換・発信を行う場として開催している。
会合で青年部の寺原多加広施工性向上委員長は、「設計コンサルや発注者と話す機会は多くはない。この機会に情報を共有し、やりがいを持てる建設産業を目指して、災害復旧や土木業界のために三者が一体となって頑張っていこう」と挨拶した。
第一部では、株式会社三矢建設(日向市)の協力のもと、国道327号永田工区の工事現場で河川砂利と粘性土を比較した実証実験を実施。ハンドローラーによる転圧状況やダンプトラックによる走行状況を比較し、河川砂利の有効性などを確認した。
その後、参加者は日向建設会館へ移動し、発注者・設計者・施工者の3者が4つの班に分かれて「災害復旧の対応」に関するグループミーティングを実施。災害発生時の対応や査定時の工夫、施工時のポイントなどについて、それぞれの立場で意見を出し合った。
第二部では、日向土木事務所の中村康輝氏が「魅力ある土木業界に~現場から考える持続可能な地域づくり~」をテーマに講演。地域づくりという土木業界の目的を三者が共有し、その実現に向けて「働きやすさ」「やりがい」を創出することを提案した。
中村氏は、三者が対等な立場に立つことや相手を知ること、尊重し合うこと、頼りにすること、感謝することの重要性を説きつつ、情報媒体として三者が唯一共有できる図面にも、こうした考え方を反映させる必要性を指摘。講演後に行ったグループミーティングでは、「図面への留意事項の記入」について話し合った。
日向土木事務所の和田安生所長は、適正な利潤の確保と働きやすい労働環境があってこそ「やりがい」を創出することができると指摘。発注者としてその実現に注力するとともに、発注者・コンサル・施工業者が一堂に会する機会の重要性を踏まえ、「年1回とは言わず、できれば複数回、日向から発信していきたい」と総評した。