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施工情報をガラス面に投影 旭建設が「グラス ナビ」開発

▲施工情報を投影したガラス面

 日向市に本社を置く旭建設株式会社(黒木繁人代表取締役)は、透過型ICT情報システム「Glass Navi(グラス ナビ)」を開発した。バックホウによるICT施工で、三次元設計データやバックホウ位置情報といったICT施工情報をバックホウ前面ガラスに透過表示することで、作業の安全性と効率性を飛躍的に向上させる。

 ICT施工現場に革新をもたらす新技術「グラス ナビ」は、無線通信でタブレットと連携した小型プロジェクターを活用し、三次元設計データなどのICT施工情報を、バックホウのガラス面に貼付した特殊加工の透過フィルムに直接投影するもの。

 従来のICT施工では、キャビン内のタブレットモニターに表示されたICT施工情報に視線を移しながら掘削作業を行っているため、安全性や作業効率の面で課題があった。 新技術「グラス ナビ」では、オペレーターは視線を前方に固定したまま、実際のバケットの動きと、ICT施工情報を同時に視認しながら施工できるため、①作業の安全性向上②施工精度の向上③オペレーターの負担軽減―といった効果が期待できる。

 表示情報は、基本的に一般的なマシンガイダンスと同じ内容で、専用タブレットに表示される施工情報(設計面との高低差、バケットの位置、目標線など)をガラス面に投影する。小型プロジェクターと透過フィルムを組み合わせることで、視認性と透過性を両立し、オペレーターが前方視界を確保したまま情報を確認できるのが特徴だ。

 同社は、今年7月に着工する宮崎県延岡土木事務所発注の五ヶ瀬川河道掘削工事(延岡市岡元町)で「グラス ナビ」を実践導入する予定で、2025年度中にさらに2~3件、26年度に5件程度の現場での実践を計画している。国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録申請中で、今年度中の登録を目指している。

 将来的には、外部の建設事業者への技術提供や製品化も視野に、更なる事業展開を計画する。建設現場のDX推進・人材不足対策に資するソリューションとして、国や自治体とも連携もし、地域社会の持続可能な発展に貢献していくとしている。