宮崎市田野町に本社を置く株式会社金本組(金本純一代表取締役)は、宮崎県内の建設業者として初めて、経済産業省の「DX認定事業者」の認定を取得した(2024年3月1日付)。ICTを積極的に活用し、建設現場の生産性向上や作業の効率化を図るとともに、建設分野に於けるDX人材の育成プログラムも広く提供する。
DX認定は、国が定めた指針に沿って、DX推進の取り組みを積極的に進めている事業者を認定するもの。認定取得の過程で、DX推進のための課題が整理されるほか、認定事業者はロゴマークの使用やポータルサイトへの掲載を通じた企業価値の向上、DX投資促進税制による税額控除や低金利融資といったインセンティブを受けられる。
認定に際しては、経済産業省が定めるデジタルガバナンス・コードに沿った▽経営ビジョン・ビジネスモデルの策定▽DX戦略の策定▽DX戦略の推進(組織づくり、デジタル人材の育成・確保、ITシステム・サイバーセキュリティ)▽成果指標の設定・DX戦略の見直し▽ステークホルダーとの対話―の各基準を満たす必要がある。
金本組は、ICTを積極的に活用し、測量から3次元設計データの作成、実施工、施工管理までを一貫して自社で対応。ドローンやレーザースキャナーで現場状況を把握し、施工前後の3D評価によって施工精度の向上を図っている。さらに、業務マニュアルや施工実績、ノウハウをクラウド化するなど、バックオフィスの効率化も手掛けている。
創業70周年を迎える今年、新たな成長に向けて、ICTを活用した「建設DX推進人材育成プログラム」も開始した。同プログラムでは、同社が建設現場で培った3D設計や測量などのICT技術、ノウハウを顧客のニーズに応じてオーダーメイドで惜しげもなく提供し、座学と現場実習を組み合わせた即実践的な教育に役立ててもらう。
このほか、2025年度にはBIM/CIM発注工事にも対応できる効果的な教育プログラムを展開する予定。同社は、建設現場をオートメーション化するi-Construction2・0を見据え、自ら施工を手掛けながらも、これまで培った経験をベースに、九州地域における建設事業者のICT活用を一層後押しする考えでいる。