▲写真は挨拶する坂下社長、大会、表彰式の模様
株式会社坂下組(坂下利一郎代表取締役社長)は6月11日、宮崎市内で2025年度「安全衛生の集い」を開催した。集いには、県内外から同社及び協力会社の社員200人超が参加。更なる安全意識の高揚を図り、無事故・無災害の達成を誓うとともに、安全講話を通じて、円滑にコミュニケーションを図るためのポイントを学んだ。
挨拶で坂下社長は、二十代の頃にアジアを旅行した際、偶然通りがかった建設現場で、あどけなさが残る少年がヘルメットもかぶらず、裸足で作業をしている光景を目撃したエピソードを紹介。「まるで自身が命の危険にさらされていることに気付かないまま、淡々と作業している姿を見て、強い衝撃を受けた」と当時を振り返った。
一方で、同社が創業した約100年前の日本の建設現場に思いを馳せ、「今ほど安全衛生の意識はなかったのではないか」と推察。「先人が建設産業を盛り上げるため、少しずつ安全衛生意識の文化を今の私達のために築いてくれた」と指摘し、次世代に安心して働ける建設産業を造っていくためにも、ルールを遵守する必要性を強調した。
坂下社長は、今年のテーマに「伝(つたえる)」を掲げ、「会社の歴史や文化だけでなく、次の世代を担う若者に技術や知識を伝承していく思いも込めている」と説明。安全衛生の集いを通じて、「何かしら学びや気づきを持ち帰ってもらいたい」と呼び掛けた。
アワード2025と題した表彰式では、他の模範となる安全衛生活動に積極的に取り組んだ協力業者及び優良職長のほか、社内表彰として安全衛生新人賞、安全衛生サポート賞、安全衛生優秀賞、新たに創設した特別賞(ライジングエンジニア賞、マルチエンジニア賞)の受賞者を表彰。坂下社長から表彰状と記念品が贈られた。
安全衛生優秀大賞には、安全衛生優秀賞の受賞者の中から山本浩史氏(宮崎本社建築部)が受賞。プレゼンターとして登壇した鹿嶋孝市安全衛生室長は、常に高いレベルでSAKASHITA・COHSMSを運用したことなどを理由に挙げた。山本氏は、「名誉ある賞をいただきありがたい。これからも精進していく」と意気込みを述べた。
集いではこのほか、落語家の桂三四郎氏が「コミュニケーション術が安全で明るい現場をつくる」と題して講演。コミュニケーションで一番大事なことは「身体と心の健康」であり、健康でなければ互いに優しく、丁寧に接することができないとした上で、歩いたり、笑ったりすることで、意識的に自分で機嫌を整える必要があるとした。
桂氏は、人間味に溢れた関西の人達のエピソードを紹介しながら、同じことを伝えるにしても、言葉の使い方や距離感、気の利いた一言の有無で大きく印象が変わることを説明。コミュニケーションをキャッチボールに例え、相手の立場になって考え、相手が受け止めやすい言葉を選ぶことが、良好な人間関係を構築するポイントだと説いた。
講演後に行われた交流会では、坂下孝二取締役副社長が「新たな社長のもとで迎える初めての安全大会であり、新しい感覚で企画してくれた実行委員会に心から感謝する」と挨拶。桂氏の講演内容を踏まえ、「コミュニケーションと健康には相通じるものがあり、私達の作業現場の中に於いて、とても大切なことだ」と強調した。
表彰受賞者は次のとおり(敬称略)。
*協力業者表彰
▽協力業者賞=ミウラ工業、T-SCORE、栄進工業、宮﨑ユニット工業、岩佐工業、日鉄物産システム建築
▽優良職長賞=黒岩三晴(日特建設)、德井孝俊(谷口重機建設)、磯﨑幸太郎(吉祥建設)、宮﨑誠二(宮﨑重機)、加行登(くちき)、黒木陽広(吉川塗装)。
*安全衛生表彰
▽安全衛生新人賞=西村康平(宮崎本社土木部)、座親亮平(宮崎本社建築部)
▽安全衛生サポート賞=小手川雄治(宮崎本社土木部)
▽安全衛生優秀賞=安部孝洋(宮崎本社土木部)、佐藤宏治(日向支店土木部)、下り藤浩司(小林本店建築部)、山本浩史(宮崎本社建築部)
*特別表彰
▽ライジングエンジニア賞=黒木建斗(宮崎本社建築部)
▽マルチエンジニア賞=髙佐力(宮崎本社建築部)。