▲写真は出前授業、体験学習の模様
宮崎県建設業協会女性の会(宮島百合子部会長)は1月24日、日南市立大堂津小学校で土木に関する出前授業と体験学習を行った。同校の4~6年生約30人を対象に、土木構造物や建設業が果たす役割に関する授業を行ったほか、日南市内で施工中の建設現場を訪ね、ICT建機への試乗やドローン操縦などを体験した。
出前授業と体験学習は、子ども達に建設業の役割や魅力を知ってもらおうと、女性の会が毎年開催しているもの。冒頭の挨拶で宮島部会長は、建設業が社会インフラの整備や災害対応といった様々な役割を担い、地域と密接に関わっていることを説明し、授業や体験を通じて「建設業への理解と興味を深めてもらいたい」と期待を込めた。
出前授業では、噂の土木応援チーム・デミーとマツの「マツ」こと松永昭吾工学博士が、「建設はやさしさをカタチにする仕事」と題して講演。道路や堤防などを引き合いに、世界中の様々な困り事に対して、安全・安心に暮らしてもらいたいと願い、それをものづくりで解決することが建設業の仕事であることを強調した。
また、水道の水をそのまま飲むことができる国は、日本を含めて僅かしかなく、世界には水を巡る紛争で苦しんでいる国、汚れた水を飲まざるを得ない国が多数あることを説明。土木が造るダムや井戸、上下水道がこれを解決できるとして、「全てのモノはあたり前ではなく、誰かが守ってくれていることを知って」と呼び掛けた。
一方、「高速道路とみちづくり」をテーマに授業を行った国土交通省九州地方整備局宮崎河川国道事務所の増尾明彦総括保全対策官は、東九州自動車道が日南市まで開通したことで、移動時間が少なくなり、交通事故の減少や地域の活性化にも繋がっていることを説明。最新技術を活用し、少ない人数で安全に工事を進めていることも紹介した。
質疑応答では、生徒からの「どういう思いで建設の仕事をしているの」との質問に対し、増尾対策官は頻発化・激震化する自然災害で多くの人達が被災していることを念頭に、「建設業で働く誰もが、誰かのために頑張りたいと思っている」と応じた。
体験学習は、大淀開発株式会社と大和開発株式会社が施工する日南志布志道路益安地区改良外工事の現場で開催。両社と協力会社の職員が指導役となり、生徒達がICT建機への試乗やドローンの操縦、タブレットを用いたAR技術、3次元測量技術などを体験したほか、ボーリングコアを用いた地質の授業にも臨んだ。
参加した生徒は、「初めて見る機械が沢山あり、最新の機械を使って仕事をしていることは凄いと思った」「道路だけでなく、色々なモノを建設業が造っていることが分かった」「将来は看護師になりたいけど、建設の仕事にも興味がわいた」と話した。