▲写真は講師の大塚可奈子氏、濵村哲之進、セミナーの模様
一般社団法人宮崎県建設業協会は、1月21日に宮崎市内で「建設人材採用力向上セミナー」を開催した。県内に事業所を有する建設会社の代表や採用担当者ら約20人が受講。若手をはじめとする建設人材の採用に向けて、自社で取り組むべき事項や具体的な採用活動の流れ、外国人材の活用のポイントなどを熱心に学んだ。
全国的な少子高齢化や従事者の高齢化に伴い、あらゆる産業で若年層をはじめとする人手不足が深刻化する中、県内建設事業者に於いても人材の確保に苦慮している状況にある。こうした課題の解消に役立ててもらおうと、宮崎県建設業協会は2022年度から、県内建設事業者の採用力向上を目的としたセミナーを開催している。
セミナーでは、株式会社岡﨑組(宮崎市)の岡﨑勝信代表取締役と人財開発部採用マネージャーの大塚可奈子氏が、「宮崎県における建設業の求職者情報と基本的な採用活動」をテーマに講演。大塚氏は、人材を確保するための前提条件として、魅力的な会社であること、従業員が働きやすい会社であることが必要と説いた。
岡﨑社長は、「マーケティングとして考えれば、自社は商品であり、商品に魅力がなければ、顧客は買わない」と指摘。魅力を増すためのツールとして、生産性の向上や教育環境の充実、評価制度の見直し、休暇取得の向上などを挙げ、「現実にしっかりと向き合い、自社の魅力を磨いて、将来像を共有することが必要」と強調した。
大塚氏は、こうした自社の魅力向上の取り組みと並行して、採用力を強化するための取り組みも進める必要があると説明。無料の説明会やイベント、インターンシップ、出前授業を通じて、学生や求職者との接触機会を増やすとともに、求人票の提出や採用ホームページの作成、SNS・メディアへの露出といった周知活動にも言及した。
このほか、高校生・大学生・中途に分けて、具体的な採用活動の流れを説明し、自身の経験を踏まえながら「定期的な学校訪問が重要」「内定後のフォローも大切」などとポイントを解説。それぞれの企業の特色を踏まえ、自社が求める人材が居る場所を見極め、自社にあった採用方法で人材の確保に取り組んでと呼び掛けた。
一方、アース建設コンサルタント株式会社(宮崎市)の濵村哲之進代表取締役は、「日本で活躍する外国人材と技術伝承への提案」をテーマに講演。ベトナムの建設分野教育機関と連携し、国内建設業界へ輩出するための人材をベトナムで育成し、日本国内の企業に紹介する同社の高度外国人材育成事業について説明を行った。
濵村社長は、外国人材を活用する上でのポイントに、適材適所や条件明示、コミュニケーションを挙げるとともに、同社の事業を通じて育成した多数の外国人材が、国内で活躍していることを説明。こうした取り組みを本県で更に加速させるためには、行政や関係団体、事業者の連携が必要として、オール宮崎で取り組む必要性を訴えた。