延岡市は、「南部地域子育て支援拠点施設整備基本計画案」をまとめ、ホームページで公開した。計画案では、子育て支援機能や地域交流機能、子どもの居場所といった機能を有する施設の面積を1500㎡程度と設定。市営住宅集約化事業の余剰跡地(一ケ岡D団地)を敷地候補として検討する。概算の総工事費は9億8200万円を見込む。
0歳から18歳までの全ての子どもや子育て世帯に寄り添い、地域の大人も関わる中で、こどもの成長や発達の過程に応じたきめ細やかな支援を切れ目なく行うための「キチ」となる子育て支援拠点施設を整備する計画。2023年度に策定した基本構想を踏まえ、施設計画や配置計画を盛り込んだ基本計画を策定し、整備方針等の具現化を図る。
導入機能に関しては、キッズルームをはじめとする遊びやふれあいを通した機能、一時預かり、病後児保育、ワークルーム、飲食スペースなどの「子育て支援機能」に加え、異なる世代の交流を促進し、各種活動やイベントをサポートする「地域交流機能」、中高生が自由に利用できる学習室などの「こどもの第三の居場所」を設けるとした。
先進事例調査やワークショップ、ヒアリングの意見を踏まえ、こうした導入すべき機能を整理した結果、施設面積は1500㎡程度と設定する。施設立地に関しては、敷地面積や用途地域、法規制、災害リスク、周辺環境、幹線道路からのアクセス性を踏まえ、市営住宅集約化事業に於ける一ケ岡D団地の余剰跡地の活用を検討する。
諸室ゾーニングに関する検討では、安全及び快適性の確保などの観点から、年代ごとに対応した屋内・屋外・静的な活動の場を設けるとした。施設内の「子育て支援機能」「こどもの居場所」「地域交流」の3つのゾーンは、各空間が独自性を保ちながらも連携し、互いに補完しながら機能させる。一方で、運動や集会、音楽、ダンスといった様々な活動を行う多目的ホールが3つの機能を繋ぎ、象徴的で中心的な役割を果たす。
施設の配置計画では、子育て世帯にとって居住と子育て支援施設が併設した「子育てエリア」を創出するため、先行実施する市営住宅集約化事業の南街区を子育て世帯優先住宅として整備するとともに、両施設の間に駐車場(常時50台、臨時20台)や屋外運動場による緩衝帯を配置するため、子育て施設の敷地を約4000㎡とする。
構造計画に関しては、国の建築行政に係る動向や地球温暖化対策、木造利用の観点から、「木造」が合理的と判断するが、基本設計段階で木造やRC造などとの併用についても検討を加える。設備計画に関しては、当該地区が国の脱炭素先行地域に選定されていることから、再生可能エネルギーや省エネルギー設備の率先的な導入を図る。
こうした考え方に基づき、▽建築=施設本体直接工事、共通費、ZEB性能向上、デッキエリア、駐車場屋根▽ランドスケープ(外構)=駐車場、中庭、運動場▽土木=擁壁▽遊具+家具=大型遊具、その他遊具、家具―の総工事費を9億8200万円と試算。サービスに係る運営経費の総計は、年間で約4700万円を見込む。
計画案では、ユニバーサルデザインの視点や利用者の利便性・安全性などを反映し、俯瞰的に基本設計をまとめることや、基本設計段階からZEBの考え方を反映し、効率的に維持管理費を削減できる設備設計を行うこと、CGや模型などを作成し、空間イメージや利用方法を市民に分かりやすく伝えることなどを今後の課題に挙げた。
基本計画案は、ホームページや情報公開センター、各総合支所及び支所、各コミュニティセンターなどで公開し、市内居住者等を対象に2月7日まで意見を受け付ける。