▲写真は研修会の模様
一般社団法人宮崎県法面保護協会(河野裕介会長)は12月9日、宮崎市内で2024年度の「労働安全研修会」を開催した。研修会には、会員企業の代表や安全管理者、現場従事者ら約40人が参加。建設業に於ける労働災害の現状や事故事例を踏まえた災害防止対策のほか、AEDを使った救命処置の手法などを熱心に学んだ。
協会主催の労働安全研修会は、法面及び斜面工事等に従事する会員企業の技術者を対象に、それぞれの現場の安全管理に役立ててもらおうと、毎年開催しているもの。調査・設計から施工までを安全かつ円滑に行うために必要な知識や技術の習得、施工の信頼性向上、品質及び安全の確保を図ることを目的としている。
河野会長に代わって挨拶に立った川浦幸治副会長は、法面工事に於ける作業の危険性に言及。「働き方改革等で生産性の向上が注目されている中、いかにして安全を担保していくかが大きな課題」と述べ、より一層の安全に対する理解を深めてもらい、研修会で学んだことを各社に持ち帰り、現場で共有してもらうよう呼び掛けた。
研修会では、建設業労働災害防止協会鹿児島支部の福元英幸安全管理士が「労働災害の現状と防止対策」をテーマに講演。建設業に於ける死傷災害の発生件数推移や法面保護工事中の災害事例及び対策事項などを説明したほか、作業開始前のミーティングを通じて、作業手順をグループ全員で共有することの重要性を説いた。
研修会ではこのほか、日本赤十字社宮崎県支部事業推進課救急指導員の深田勝廣氏と芝崎敏之氏を講師に招き、「現場での一次救命処置等」をテーマに講話と実習を行った。
芝崎救急指導員は、「救命処置の有無で、傷病者の生存率や社会復帰率に大きな差が生じる」と説明し、模型を使って心肺蘇生法やAEDの正しい使用方法等を指導。「一次救命処置は時間との勝負。正しい知識と技術を身につけてもらうことが大切」と話した。