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高校生が職種・技能を体験 竹中工務店と九州竹和会

      

▲写真はセミナーの模様

 株式会社竹中工務店九州支店と協力会社でつくる九州竹和会は、11月19日に宮崎県立宮崎工業高等学校で「建設業魅力発信セミナー」を開催した。九州竹和会や安全衛生協力会宮崎支部が主体となり、建築科2年生の生徒を対象に出前講座を開講したほか、様々な職種の技能体験イベントを通じて、建設業の魅力をPRした。

 建設業の喫緊の課題である担い手の確保及び育成に向けて、九州内の高校や専門学校の学生らを対象に開催しているもの。開催にあたりメッセージを寄せた竹中工務店九州支店の三田村英明次長は、教科書では学べないことに触れ、実際に経験することで、専門工事を含む建設業の魅力を体感してもらうよう、生徒達に呼び掛けた。

 九州竹和会の渡邊久昭副会長は、自身が建設業界に入職したきっかけを紹介するとともに、資格取得や経験を積むことで、自身のステップアップを実感し、リーダーとして意思を持って仕事を進めることができると説明。「今日の座学や体験が、皆さんが将来像を描くための一つのきっかけになれば」と期待を込めた。

 九州竹和会の会員による座学では、竹中工務店の厳しい基準をクリアした主要パートナー企業による最高レベルの施工技術集団が竹和会であることを説明するとともに、建物が完成するまでの一連の流れや、過去に手掛けた国内外の大型施設を紹介した。

 また、長瀬貴之氏(株式会社長瀬建設)は、週休2日の確保やCCUS(建設キャリアアップシステム)の推進など、業界全体で処遇改善に取り組んでいることを紹介。さらに、どれだけ施工の機械化が進んだとしても、有能な職人がいなければ建物は造れないとして、「職人が社会に認められる時代になってくる」とまとめた。

 企業の取組紹介では、有限会社仙波商会の仙波昌克代表取締役が、金属を加工して手摺りや庇の幕板などを製作し、現場取付を行っていることを説明。日新興業株式会社の担当者は、現場技術者が行っている書類業務等をバックオフィスから支援する建設ディレクターの仕事内容などを紹介し、建設業に興味さえあれば携われることを説明した。

 業種施工体験では、九州竹和会の会員企業が個別に体験ブースを設置。足場体験では、事前に設置した足場を上りながら各部位の役割を学んだり、フルハーネスを装着することで墜落を防げることを学んだ。左官体験では、職人から綺麗に仕上げるためのポイントを学び、建築板金体験では、ガルバリウムの切断と曲げ加工に挑戦した。

 生徒達はこのほか、塗装前の下地処理と塗装体験、サッシ窓の組立取付及びシール打ち体験、タイルの切断と貼り体験、壁石膏ボード貼り体験、タイルカーペット貼り体験、コンセントの結線と器具付け体験、塩ビ配管の切断及び接合体験、空調機器の取付体験に挑戦。職人の手ほどきを受けながら、ものづくりを体感した。

 タイルカーペット貼りに挑戦した生徒は、「機械を使うのかと思っていたら、普段、私達も使っているハサミなどを使用していて驚いた」と話し、塗装体験に挑戦した生徒は、「単に塗るだけではなく、綺麗に仕上げるために事前に養生や目地の処理が必要なことを学んだ」と話すなど、専門工事に対する理解と興味を深めていた。