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11月18日は「土木の日」 出前授業やふれあい体験

      

▲写真は西都・高鍋・日向地区のイベント

 11月18日は「土木の日」。道路や河川など社会資本整備の重要性を認識してもらうとともに、土木技術及び土木事業に対する理解を深めてもらうことを目的に、全国各地で土木に関するイベントが催されている。宮崎県内では、各地区の小学校で、土木に関する出前講座やふれあい体験、校内のボランティア活動を実施している。

■西都地区

 西都地区の土木の日イベントは11月14日、西都市立妻南小学校で行われた。西都土木事務所及び建設関連団体の職員が参加し、同校の6年生84人を対象に、出前講座やふれあい体験を行ったほか、校内の環境整備に汗を流した。
 出前講座では、西都土木事務所の担当者が土木の日の由来や建設機械の紹介、快適な暮らしや災害から命を守るインフラ施設の整備・維持管理していることなどを説明。ふれあい体験では、レンガと砂を使ったアーチ橋造り体験、バックホウや高所作業車への試乗体験、測量機器体験が行われた。
 アーチ橋造り体験では、完成したアーチ橋の上を生徒たちが慎重に渡ったほか、生徒4人が立ったときには大きな歓声が上がるなど、大いに盛り上がった。イベントに参加した生徒は、「乗ったときに橋が崩れるかと思ったが、頑丈で驚いた。土木の仕事に少し興味が出てきた」と話した。
 校内ではこのほか、建設関連団体の職員が樹木の剪定や体育館周辺の側溝に堆積していた土砂をスコップで掻き出し撤去するなど、校内の環境整備に汗を流した。西都土木事務所の前田秀高所長は、「まずは、土木の内容に触れ興味を持つことから。この経験を少しでも覚えていてもらえたら」と話した。
▽参加団体=西都土木事務所、西都市、西都地区建設業協会、西都地区建築業協会、西都測量業協同組合、西都造園工事組合、西都電気工事業協同組合、西都管工事協同組合。

■高鍋地区

 高鍋地区の土木の日イベントは11月9日、木城のみどりの杜「木城学園」で行われた。同校の4年生約50人を対象に、土木に関する出前講座や建設機械の試乗体験、測量体験、花の苗植えを行ったほか、造園関係団体が校内の花壇製作に協力した。
 出前講座では、宮崎県高鍋土木事務所の担当者が、11月18日が土木の日である理由や、土木が生活を豊かにし、災害から生活を守る役割を担っていることを説明。現場で活躍する車両やドローンを紹介するとともに、土木に関連したクイズを出題した。
 ふれあい体験では、高鍋地区建設業協会青年部の部員がサポートし、バックホウの操縦に挑戦するとともに、空高く上る高所作業車に試乗した子ども達から大きな歓声が上がった。測量機器を使った距離当てクイズや、プランターへの花の苗植えにも挑戦した。
 校内ではこのほか、同校の用務員と保護者が花壇を製作するにあたり、造園関係団体がこれに協力した。高鍋土木事務所工務課の飯干晶議課長は、「イベントを通じて、土木を知り、興味を持ってもらいたい」と期待を込めた。
▽参加団体=高鍋土木事務所、高鍋地区建設業協会、宮崎県測量設計事業協同組合、日本造園建設業協会宮崎県支部、高鍋綠心会。

■日向地区

 日向地区の土木の日イベントは11月13日、日向市立大王谷学園で行われた。同学園初等部の5年生108人を対象に、出前講座や体験学習を行ったほか、宮崎県造園緑地協会日向支部が校内の環境美化奉仕活動に汗を流した。
 出前講座では、延岡河川国道事務所の担当者が土木について、日向土木事務所の担当者が、11月18日が土木の日の由来について説明し、土木の役目や仕事は、皆が安全で快適に暮らし、台風等の災害から生活を守るため、道路やトンネル、港や公園、堤防やダムなどを造っていることを解説した。このほか、日向地区建設業協会、宮崎県測量設計業協会日向支部、宮崎県造園緑地協会日向支部、日向市の担当者が、仕事の内容ややりがいなどを紹介した。
 体験学習では、関係団体の協力のもと、照明車の操縦やパトロールカーの見学、ドローンの操縦や測量体験、重機の操縦体験、レンガと砂を使ったアーチ橋造りに挑戦。そのほか、校内では宮崎県造園緑地協会日向支部が樹木の剪定作業を行い、その様子を生徒たちが見学した。
 イベントに参加した生徒は、「レンガと砂だけでアーチ橋がつくれて凄いと思った」「土木の事は知らなかったけど楽しく学べた」「将来、土木の仕事をしてみたいと思った」などと話した。
▽参加団体=国土交通省延岡河川国道事務所、日向土木事務所、日向市、北部港湾事務所、日向地区建設業協会、宮崎県測量設計業協会日向支部、宮崎県造園緑地協会日向支部。

■実行委員会

 宮崎大学や国土交通省の県内出先機関、宮崎県県土整備部、建設関連団体などで組織する宮崎県「土木の日」実行委員会本部は、11月9日と10日の2日間、宮崎市郊外の大型商業施設で土木の日パネル展」を開催した。買い物客や家族連れが足を止め、パネルや模型実験を通じて、土木に対する理解と認識を深めた。
 パネル展では、国土強靱化に向けた宮崎県内の取組事例やその効果、県内の代表的な土木遺産マップ、今年8月に発生した日向灘を震源とする震度6弱の地震で生じた被害と災害対応の内容を紹介。自然災害への対応だけでなく、口蹄疫の防疫対策や火山噴火に伴う降灰除去にも建設業が協力していることを紹介した。
 また、模型実験を通じて、砂防堰堤に土砂から街を守る効果があることを説明するとともに、雨水貯留槽の現物を展示して、流域のあらゆる関係者が協働で治水対策に取り組む流域治水の考え方を紹介。おもちゃのショベルカーでお菓子をつかみ取りするコーナーには順番待ちの列ができ、大人から子どもまで土木と親しんだ。
 宮崎大学工学部工学科土木環境工学プログラムの入江光輝教授は、今回のイベントを通じて、土木が安全で豊かな暮らしに貢献していることに加え、流域治水を例に「ハード整備を請け負う建設業だけでなく、流域の自治体や住民が一体となった取り組みを進めていることを広く知ってもらえれば」と話した。