▲写真は点検作業の参加者、点検作業の模様
宮崎地区電気工事業協同組合と一般社団法人宮崎県電業協会は11月12日、宮崎市内の指定避難所に設置されている発電機の無償保守点検活動を行った。活動には、両団体に加盟する事業所から約40人が参加。宮崎市内の小中学校22校を訪問し、非常用発電機の点検作業や動作確認のほか、体育館の分電盤の調査を行った。
南海トラフ巨大地震をはじめとする大規模な自然災害等への備えとして、宮崎市は収容人数300人以上の避難所100箇所に発電機と投光機を配備しているが、機器の管理を学校側に任していることから、中には部品や本体の経年劣化が進んでいる発電機もあり、定期点検や動作確認等が十分に行われていない状況にある。
出発式で挨拶した宮崎地区電気工事業協同組合の島田博良理事長は、こうした経緯を踏まえ、毎年、機器の保守点検に取り組んでいることを説明。「有事の際に確実に作動するよう、点検や部品の交換をしっかり行って」と呼び掛けた。点検項目や点検時の注意事項等を確認し、参加者は受け持ちの各校に移動して作業を行った。
保守点検作業では、チェックリストに基づき、発電機のエンジンオイルの量や汚れ、フィルター及びエレメント類、ガソリン・ガスのシリンダー供給、点火プラグ、排煙・排ガス、異音・異常振動の有無、計器類指示及び運転状態、切替器・スイッチ類・調整器類、漏電等を細かく確認。投光器を使った試運転と負荷試験も行った。
今回の作業では、避難場所となる体育館の分電盤も調査した。各施設に配備している小型の発電機では、投光器など最低限の電力しか賄えず、大人数による一定期間の避難生活に対応できないことから、大型の発電機を分電盤に直接、接続することを市に提案するため、既設分電盤のサイズや設置スペースの有無などを確認した。
これらの点検・調査結果は学校や市に報告し、発電機の適切な維持管理や部品交換等に役立ててもらう。両団体では、活動を開始した2016年度から昨年度までに、累計で167台の保守点検を行っている。作業に立ち会った宮崎市危機管理課の担当者は、「有事に備えるために不可欠な作業。とてもありがたい」と話した。