▲写真は挨拶する金野尾会長、講演する松山次長、講演会の模様
一般社団法人宮崎県地質調査業協会(金野尾司会長)は11月12日、宮崎市内で2024年度の技術講演会を開催した。講演会には、県内建設企業や行政機関の技術系職員ら約140人が参加。大規模災害への備えとして県が進めている強靱化対策のほか、地質学的視点で見る宮崎の景勝地の特徴などについて学んだ。
技術講演会は、技術者の育成や技術力の向上、関連団体技術者の地質に関する知識の普及啓発などを目的に開催しているもの。
挨拶で金野尾会長は、近年、日本に襲来する台風の大型化や高い確率で発生が想定される南海トラフ巨大地震に言及。自然災害に対する備えの必要性を強調し、会員の更なる技術力の向上を目的とした研修会や講演会を定期的に開催していく考えを示した。
基調講演では、宮崎県県土整備部の松山英雄次長が「宮崎県の県土整備行政」をテーマに講演。今年度の県予算に占める土木関係事業や事業別の内訳等を説明したほか、今年度に発生した台風第10号や日向灘を震源とする地震等による被害概況を解説した。
また、巨大地震等を想定した防災・減災対策では、県内26箇所に整備した津波避難施設や後方支援ルートの確保に向けたミッシングリンクの解消、重要路線に於ける橋梁の耐震補強など、災害に強いまちづくりに取り組んでいることを報告。
松山次長は、防災・減災対策の成果が着実に発現している一方で、「県土の強靱化は未だ道半ばで、継続的・安定的な取り組みが必要」として、必要な予算確保を求めるなど、引き続き、国に地方の声を届けていく考えを示した。
「みやざきジオストーリー2024~郷土宮崎を知るツールとしての地質学~」をテーマに講演した宮崎地質研究会の赤崎広志会長は、地質学的視点で見る日南海岸や高千穂峡など、宮崎に於ける景勝地の大地造形に関するジオストーリーを分かり易く紹介。
県内各地で多く産出されるコンクリーションについて説明したほか、コンクリートの長寿命化を目指すコンクリーション化剤について講演した。