▲写真は挨拶する小澤部会長、セミナーの模様
一般社団法人建設コンサルタンツ協会九州支部は、11月1日に宮崎市で2024年度の「地域セミナー」を開催した。セミナーには、宮崎県部会の会員や行政の技術系職員ら約50人が参加。設計業務の「エラー防止」を目的に、品質向上委員会が作成したチェックポイントシートの活用方法や有用性などを確認した。
九州支部の品質向上委員会では、成果品の品質向上と専門技術的な観点を踏まえた照査の具体的改善を目指して、個々のエラー事例の紹介とそれらを是正するエラー防止対策や留意点等を提案し、不良な成果品を防止することを目的とした地域セミナーを、各県部会や地元自治体の協力のもと、定期的に各地で開催している。
冒頭の挨拶で宮崎県部会の小澤修三部会長は、「インフラ整備に携わる者として、人々が安全・安心に利用できるものを造ることが私達の義務」である一方、「たとえ照査を十分に行ったとしても、ミスが生じてしまうことがある」と指摘。
そうしたミスの中でも「安定計算や応力計算などのミスは、後々、重大な問題に発展する恐れがある」とした上で、「こうした事態が生じないよう、セミナーの内容を持ち帰り、皆で情報を共有しながら、今後の業務に生かしてもらいたい」と呼び掛けた。
セミナーでは、品質向上委員会の委員が講師を務め、河川、土質、道路及びトンネル、橋梁の各分野ごとに講演を実施。チェックポイントシートに関しては、「樋門・樋管」「地山補強土工」「吹付枠工」について、具体的なエラー事例や発生要因、エラーを防ぐためのチェックポイントシートの活用方法と改善策を分かり易く解説した。
このほか、土質分野に於ける地盤調査結果の解釈と設計への適用、橋梁分野に於ける近年の動向とエラー事例を解説。宮崎県県土整備部技術企画課の春田博文課長補佐を講師に招き、「宅地造成及び特定盛土等規制法」に関する特別講演も行った。
品質向上委員会の石井健太郎委員長は、チェックポイントシートに関して、経験年数5~10年の担当技術者が独力でチェックできるよう、設計手順の順番にチェック項目を記載したり、説明シートを追加するなどの工夫を講じていることを説明。若手技術者が管理技術者に報告する際などに活用してもらうよう呼び掛けた。