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被災者の冥福祈る、椎葉村で献花式 日向建協青年部

      

▲写真は献花式の模様

 2020年9月に椎葉村内で大規模な土砂崩れが発生し、株式会社相生組の事務所や隣接する家屋等が被災した現場で、9月5日に献花式が行われた。式では、日向地区建設業協会の青年部員や相生組の相生秀樹社長、関係者ら約20人が黙祷を捧げたのち、青年部員の代表による献花や焼香を行って、被災者の冥福を祈った。

 台風10号が本県に最接近した6日夜、椎葉村下福良では長さ約200m、幅20~40mにわたって大規模な土砂崩れが発生。、同社の事務所や家屋等が土砂に飲み込まれ、社長の妻・相生勝子さんと息子で専務の泰孝さん、ベトナム人技能実習生のチャン・コン・ロンさんとグエン・ヒュー・トアンさんが行方不明になった。

 献花式で相生秀樹社長は、多くの青年部員の参列に感謝の意を示すとともに、生前から泰孝さんが宮崎県日向土木事務所の中村康輝さんと取り組んでいた施工性の向上について、青年部員がその意思を引き継ぎ、現在も活動を継続していることにも感謝を示した。

 青年部の長谷川雄基部長は、「青年部の先輩であり、元部長の泰孝さんをはじめ4人が犠牲になった被害から4年が経過しようとしている。その間、皆さんの協力もあり、施工性の向上は着実に進展しており、泰孝さんが目指した業界に近づいているのではないかと実感している。これからも見守っていてほしい」と述べた。

■土木ブラッシュアップ会議を開催

 献花式後には、施工業者と建設コンサル会社、行政の3者による「土木ブラッシュアップ会議」を開催した。同会議は、組織の異なる土木技術者が話し合い、現場の新たな気付きを通じて、「働きやすさ」と「やりがい」を創出し、魅力ある土木業界にしていくための取り組み。

 ブラッシュアップ会議では、日向土木事務所の中村康輝主査が施工性の向上や土木ブラッシュアップ会議について説明した後、椎葉村と美郷町の工事現場に移動して、それぞれの立場から意見を出し合った。