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串間市いちき風力発電 環境アセスで知事意見

 宮崎県は、シン・エナジー株式会社が串間市市木地区で計画する「(仮称)串間市いちき風力発電事業」の環境影響評価について、8月15日付で環境保全の見地から知事意見を通知した。知事意見では、環境影響評価の実施に際して、関係法令等を遵守するとともに、地域住民等の意見に十分に配慮することなどを求めた。

 シン・エナジーが計画する陸上風力発電所の新設計画は、単機最大出力6100㌔㍗の風力発電機を7基程度設置し、総出力を最大3万㌔㍗とする。対象事業実施区域は、串間市及び日南市。同社は、環境影響評価法に基づき、同事業の環境影響評価方法書を作成し、今年3月5日~4月8日に方法書の公表及び縦覧を行った。

 知事意見は、7月22日に開催した宮崎県環境影響評価専門委員会への諮問と答申、日南市長及び串間市長への意見照会を経て作成した。知事意見では、環境影響評価の実施に当たり、関係法令等を遵守するとともに、地域住民等の意見には十分に配慮すること、近隣の風力発電事業との累積的な影響を考慮すること、準備書の作成に際して、事後調査の方法や事業終了後のリプレース又は廃棄計画等を検討することを求めた。

 また、▽近隣住民の生活環境悪化防止のため、騒音及び超低周波音に留意し、情報の透明性を確保すること▽雨水排水対策に関しては、近年の局所集中的な降雨傾向を踏まえた工事時期の選定等を検討すること▽鳥獣への影響を回避又は極力低減するとともに、希少動植物の生息地を調査し、配置を慎重に検討すること▽工事期間を含めた崩落、地滑り及びそれに伴う風力発電機の倒壊が生じないよう注意すること―も求めた。