▲写真は挨拶する長谷川前会長、河野新会長、総会の模様
宮崎県港湾漁港建設協会(長谷川明正会長)は5月29日、宮崎市内で2024年度の通常総会を開催した。総会では、23年度事業報告及び収支決算、24年度事業計画案及び収支予算案を原案どおり承認。任期満了に伴う役員改選では、10年にわたって会長職を務めた長谷川氏が勇退し、新たな会長に河野和也氏が就任した。
挨拶で長谷川会長は、会員が港湾漁港の整備を通じて、地域の産業や経済の発展に貢献し、災害時には地域の守り手としての役割を担っていることを強調。一方で、時間外労働の罰則付上限規制や担い手の確保、生産性の向上など、多岐にわたる課題が山積しているとして、業界を取り巻く状況が依然として厳しいことに言及した。
こうした現状を踏まえつつ、「地域が発展し、地域を守るためにも、協会が健全に発展していくことが重要であり、会員それぞれが安定的・持続的な経営環境を整える必要がある」として、今後も国や県当局に公共事業予算の確保を訴えていく考えを示した。
総会には、一般社団法人全日本漁港建設協会(全漁建)の岡貞行会長、日本港湾空港建設協会連合会(日港連)の加藤雅啓専務理事らが来賓として出席。全漁建の岡会長は、業界の健全な維持発展や社会的地位の向上に注力しているとして、全漁建本部の活動に対する支援と協力を会員に呼び掛けた。
原案どおり承認した24年度の事業計画では、港湾及び漁港漁場等の建設事業の発展と整備の促進に寄与し、あわせて会員相互の社会的地位の確立や経営の安定を図るため、これに必要な活動を積極的に展開することを確認した。
具体的には、会員の技術向上を目的とした講習会の開催や、全国会議・九州ブロック会議・研修セミナーへの積極的な参加、港湾及び漁港漁場等の建設工事の施工の合理化に関する資料の収集や調査・研究のほか、現場従事者を対象とした研修を実施する。
このほか、24年度及び25年度の港湾及び漁港漁場等の関係事業の予算確保について、関係機関との意見交換や要望活動を実施するとともに、会員の社会的地位の確立や一層の発展向上に資する活動にも取り組むとした。
新会長に就任した河野氏は、「港湾漁港工事を手掛ける私達は、災害から国を守るという『国防』の役割を担っていると自負している」として、防災・減災をはじめとする予算の確保に努めるなど、強い気持ちで会の運営に努めていく考えを示した。
一方、退任挨拶で長谷川前会長は、会長職を務めた10年間が自身の大きな財産であり、会員の理解と協力に感謝の意を示すとともに、「新体制のもとで、長きにわたる会の伝統を守りながら、新しい協会を創ってもらいたい」と期待を込めた。
総会ではこのほか、先に行われた日本港湾空港建設協会連合会の総会で、長谷川明正氏が会長表彰を受賞したこと、同じく全日本漁港建設協会の総会で、会長表彰として渡邊英仁氏(児玉組)が優良会員表彰を、同じく黒木英樹氏(志多組)が優良従業員表彰をそれぞれ受賞したことが報告された。
*新役員は次のとおり(敬称略)
▽会長=河野和也(河野建設)
▽副会長=境一成(大和開発)
▽理事=長谷川明正(長谷川組)、山﨑司(山崎産業)、吉原政秀(吉原建設)、西條隆雄(西條組)、竹井哲博(竹井建設)、萱野秀三氏(宮前建設)、上村孝司(富岡建設)
▽監事=志多宏彦(志多組)、松本和久(松本組)