▲写真は挨拶する石川会長、研修会の模様
一般社団法人宮崎県浄化槽協会(石川武則会長)は3月11日、宮崎市内で2023年度「第16回浄化槽維持管理研修会」を開催した。県内各地で浄化槽の施工や維持管理に携わる技術者のほか、保健所や市町村等の行政関係者ら総勢約160人が受講し、浄化槽の適正管理に向けた現状や課題、適切な保守点検の手法等を学んだ。
公共用水域の水質保全や生活環境の保全、公衆衛生の向上を図るうえで、浄化槽は下水道とともに生活排水処理施設として重要な役割を担っており、浄化槽に携わる関係技術者には適切な維持管理能力が求められている。同協会では、浄化槽に係る諸問題の解決や最新技術の習得を図るため、毎年、研修会を開催している。
挨拶で石川会長は、県内に於ける浄化槽の法定検査受検率が他県と比べて低い水準にあることや、いまだ多くの単独処理浄化槽が残されている現状を指摘。受検率の向上や合併処理浄化槽への転換が大きな課題であるとして、官民が一体となり、これらの課題に取り組むため、意義のある研修会としてもらうよう呼び掛けた。
研修では、公益財団法人宮崎県環境科学協会法定検査部検査課の坂元司課長が、浄化槽法第7条及び第11条に基づく法定検査について説明。判定に当たっての基本的な考え方や、22年4月~23年3月に行った検査で「不適正」と判定された浄化槽に関して、書類検査、外観検査、水質検査のそれぞれの指摘内容などを解説した。
浄化槽の適正管理について講演した宮崎県環境森林部環境管理課の甲斐浩平氏は、県内の生活排水処理率の推移や、合併処理浄化槽への転換促進に於ける課題を説明。保守点検及び清掃業者の役割の重要性を強調した上で、法定検査の必要性等を問う未受検者に丁寧に説明することや、受検しやすい仕組みづくりの必要性を説いた。
研修会ではこのほか、株式会社ダイキアクシスが「ダイキ浄化槽XH型の維持管理・留意事項」、株式会社ハウステックが「ハウステック浄化槽の特徴と維持管理」、東浜商事株式会社が「ロータリーブロワーの構造と維持管理」をテーマに、それぞれ講演を行った。