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子育て支援拠点施設、候補地にD団地跡地 延岡市

 延岡市は、「(仮称)南部地域子育て支援拠点施設整備基本構想案」をまとめ、ホームページで公開した。「みんなが つどい つながり はぐくむ こどもの居場所(キチ)づくり」を基本理念に、市営住宅の集約化で生じる跡地の余剰地を活用し、約1000㎡の建物や屋外広場、駐車駐輪場を備えた子育て支援拠点施設を整備する。

 近年、全国的な少子化傾向はもとより、子育てを取り巻く環境の変化は著しく、地域のつながりの希薄化や核家族化の進行による子育て世帯の孤立、女性の就業率向上に伴う保育ニーズの増大、こどもの貧困の連鎖など、様々な社会課題を背景に育児相談等も複雑多様化しており、子育て世帯への支援は一層重要度が増している。

 こうした状況を踏まえ市は、市民アンケートやワークショップをはじめ、学識経験者や専門家等でつくる「南部地域子育て支援施設建設検討委員会」での協議・検討の中で寄せられた要望を踏まえ、新たに整備する施設に関して、基本理念や基本方針、施設の概要や管理運営の基本的な考え方などを示すため、基本構想案を策定した。

 構想案では、安心・安全な施設づくり、遊びや主体的な学びができる施設づくり、ユニバーサルデザインに配慮した施設づくり、明るく、木の温もりを感じる施設づくりなどを施設整備の考え方として提示。これを踏まえ、①子育て世代活動ゾーン②児童活動ゾーン③相談支援ゾーン④地域交流ゾーン⑤施設管理・運営ゾーン―を設ける。

 施設の設置候補地に関しては、市営住宅一ケ岡団地の集約化事業で生じる跡地の余剰地活用を前提に、4箇所(B・C・D・E団地)を選定。各候補地に関して、災害リスクや周辺の各学校及び保育施設の立地状況、交通アクセス、生活利便性等を比較・検討し、「市営住宅D団地跡地の一部」を最終的な候補地とした。

 前述の施設の考え方やゾーニングを踏まえた概算面積は、建物が約1000㎡、屋外広場が約800㎡(人工芝300㎡、遊具等500㎡)、駐車駐輪場が約1200㎡(駐車場約40台、駐輪場10台)を想定。

 ただし、市営住宅の集約化はPFI事業での完成を目指しており、D団地跡地の余剰地が現時点で定まっていないことや、D団地跡地が第一種低層住宅専用地域にあり、新たな施設の建設にあたっては規制緩和が必要となるなど、不確定要素が存在するため、先の施設規模は、市民ニーズや地域を取り巻く環境等を踏まえた目標値とする。

 今後も更なる市民ニーズ調査や関係各課等との検討を重ねるとともに、建物の機能別の面積や建物の構造については、広場や駐車場等とのバランスにも配慮し、基本計画や実施設計の策定において再設定する。

 整備スケジュールによると、24年度に行う基本計画・設計で、具体的な課題や条件の整理、機能・規模の精査を行い、備えるべき機能やデザイン等を取りまとめ、イメージを明確化する。基本設計に基づき、25年度に行う実施設計で詳細事項を定め、工事費を積算する。26年度に建設工事を行い、27年度の運営開始を目指す。

 基本構想案はホームページ等で公開し、市内居住者等を対象に3月31日まで意見を募集する。提出された意見は、内容ごとに整理・分類し、これに対する市の考え方と合わせて公表する。問い合わせ先は、健康福祉部こども保育課子育て支援係。

基本構想案の概要版