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災害への備えの大切さを再確認 日塗装宮崎と宮崎市塗装協

      

▲写真は挨拶する平原会長、講話の模様

 一般社団法人日本塗装工業会宮崎県支部(堂地隆一支部長)と宮崎市塗装業協会(平原勝利会長)は2月21日、宮崎市内で2023年度の合同防災訓練を実施した。今年度は、例年実施している現場訓練ではなく、防災士による講話を開催。両団体の会員企業から約30人が参加し、災害に対する心構えや事前の準備などを学んだ。

 開会式で挨拶に立った宮崎市塗装業協会の平原会長は、1月1日に発生した能登半島地震で多くの尊い命が犠牲となり、いまだ多くの地域住民が避難生活を余儀なくされている現状に触れ、「災害に祝日などは関係なく、いつ、どこで発生するか誰にも分からない」としたうえで、あらためて災害への備えを徹底するよう呼び掛けた。

 講師を務めた防災士の木村英之氏(英光株式会社代表取締役)は、「普段からの備えでイツデモ安心、減災対策」をテーマに講演。災害はいつ、どこで、どのような形で発生するか分からないが、事前の準備次第で被害を減らすことができるとした。

 災害への備えの目的は「生命の安全確保」が第一であり、防災グッズを事前に準備しておくことで、災害時のストレスを軽減できると指摘。効率の良い準備に、①具体的な備蓄②適切な情報③周囲との協力―を挙げ、これによって災害時の安心感を確保し、「災害時に落ち着いて行動できる」という安全の確保にも繋がるとした。

 一方で、自助・共助・公助の視点から災害時の役割を説明し、それぞれの立ち位置に応じた役割分担が負担の軽減に繋がるとした。木村氏はこのほか、防災バッグや簡易トイレ、非常食等の様々な防災グッズのほか、災害時に役立つ防災アプリも紹介した。

 閉会式で日本塗装工業会宮崎県支部の今村章一郎氏は、「本県は常に、南海トラフ巨大地震の危機と隣り合わせであり、今回の貴重な講話の内容を活かす時が必ず訪れる。現場の最前線で災害対応にあたる地域建設業の役割を果たすため、今日を契機にあらためて防災の意識を高めていきたい」として、木村氏に謝辞を述べた。

 災害時に於ける迅速な復旧・復興支援を目的として、日塗装宮崎県支部は08年に宮崎県と防災協定を締結。宮崎市塗装業協会は、11年に宮崎市と応急対策業務等に関する協定を締結しており、災害発生時には、被災構造物の簡易点検や応急修理、公共施設及び住宅等の汚泥洗浄、断水高層ビルへの給水等を行うとしている。