▲写真は表彰式の模様
宮崎県と一般社団法人宮崎県溶接協会(碕山裕和理事長)が主催した2023年度第67回「宮崎県溶接技術競技会」の表彰式が、1月24日に宮崎県工業技術センターで行われた。表彰式では、優秀な成績を収めた個人13人に表彰状と記念品を、団体の部で7年ぶりに優勝した宮崎地区に優勝旗を贈り、受賞者の努力と栄誉を称えた。
競技会は、県内溶接技術の更なる発展や技術者の資質及び技能の向上などを目的に、県と協会の主催で毎年開催しているもの。昨年11月に行われた県大会には、各地区の予選会を勝ち上がった代表選手に加え、昨年度に新設した女子の部に2人、県立産業技術専門校構造物鉄工科の学生3人(うち1人は女子の部)が特別枠で参加した。
表彰式で挨拶した宮崎県商工観光労働部の飯塚実次長は、溶接技術がものづくりの現場に欠かすことができない基盤技術であり、溶接技術者の資質や技術の向上を目的とした競技会が、専門校の学生にとっても貴重な機会になっていると指摘。「皆さんの活躍によって、本県のものづくり産業が一層飛躍することを期待する」と述べた。
来賓挨拶で県立産業技術専門校の大衛正直校長は、1日に発生した能登半島地震に言及し、今後、産業基盤やインフラの復旧・復興が進む中で、溶接が最も必要とされる技術の一つであると強調。同校の訓練生に対しても「頼りにされる技術者になってもらいたい」と訓示しているとして、更なる技術の研鑽や後進の育成に期待を込めた。
審査講評で碕山理事長は、外観審査やX線試験、曲げ試験に加え、安全作業なども審査の対象としたこと、入賞者の作品はいずれも甲乙が付けがたく、非常に難しい審査であったことを説明。きたる九州大会、全国大会での活躍に期待を込め、協会として、これに向けた練習環境づくりに努めていく考えを示した
表彰式では、個人及び団体の部の入賞者に表彰状と記念品が贈られた。受賞者を代表して謝辞を述べた小野毅氏は、「受賞の喜びを忘れることなく、先輩方の声に耳を傾けながら、自らの溶接技術の向上に努力することはもちろん、後進の指導も積極的に行い、本県の溶接技術の更なる向上に力を尽くしたい」と意気込みを語った。
今大会の入賞者10人(アーク溶接の部5人・半自動溶接の部5人)は、7月に熊本県で開催される九州・沖縄地区溶接技術競技会に出場する。また、アーク溶接の部で優勝した小野毅氏と半自動溶接の部で優勝した豊田將伸氏は、10月に高知県で開かれる全国大会に本県代表として出場する。
個人の部の入賞者は次のとおり(敬称略)。
*アーク溶接の部
▽優勝=小野毅(池上鉄工所)
▽準優勝=新村諒太(九州オリンピア工業)
▽優秀賞=長野秀樹(山田工業)、村岡孝幸(吉見)
▽優良賞=岩佐航洋(池上鉄工所)
▽敢闘賞=梅原慧(産業技術専門校)
*半自動溶接の部
▽優勝=豊田將伸(ブンリ工業)
▽準優勝=中武和之(赤木鉄工所)
▽優秀賞=片平禎陽(ブンリ工業)、山本優太(ホリイ)
▽優良賞=甲斐邦廣(池上鉄工所)
▽敢闘賞=濱﨑拓臣(産業技術専門校)
*女子の部
▽優勝=川越くるみ(アイオーケイ)。
※碕山裕和理事長の碕は、石へんの﨑