▲写真は挨拶する宮原課長、会場の模様
国土交通省九州地方整備局は10月30日、宮崎市内で2023年度「新技術・新工法説明会」を開催した。説明会には、県内の建設会社や建設コンサルタント会社、行政の技術系職員ら約90人が参加。新技術活用システムの概要や新技術情報提供システム(NETIS)に掲載されている新技術・新工法について見識を深めた。
説明会は、社会資本整備に寄与する新技術や新工法を周知し、更なる活用を図るとともに、新たな技術開発を促進するために各県で開催しているもの。はじめに、九州地方整備局企画部施工企画課の宮原満弘課長が、直轄土木工事での新技術活用の原則化の取り組みなどを紹介し、説明会を情報共有の場としてもらうよう呼び掛けた。
NETISの活用状況等を説明した九州技術事務所の大杉忠昌技術情報管理官は、九州管内の22年度の活用技術数が4017件であったこと、仮設工での活用が最多だったことを説明。宮崎県県土整備部技術企画課の木田昌志氏は、新技術等活用促進システムの機能や掲載技術の区分、活用した場合のインセンティブなどを紹介した。
プレゼンテーションでは、県内外で採用実績がある23の新技術・新工法の特徴等を説明。インフラテック株式会社は、河川護岸やブロック積擁壁等で設置される小口止工に関して、型枠の設置や撤去が不要で、ブロック積等とほぼ同時に施工できるコンクリート二次製品を紹介し、施工性や安全性の向上、工期短縮等のメリットを解説した。
株式会社共立電照は、停電の影響を受けず、防災・防犯効果が期待できるソーラー充電式LED街路灯「恵みの光」を紹介。高水準の安全性能や長寿命といった特徴のほか、注文生産により形状等のカスタマイズが可能であることを説明するとともに、ひなた宮崎県総合運動公園をはじめ、各地の避難所や駐車場等での設置事例を紹介した。
また、株式会社ガイアートは、コンクリート舗装に発生した目地部の損傷、角欠け、ひび割れ、沈下による段差等の補修に適用できる常温型コンクリート舗装補修材「ニンジャシール」を紹介。強靱なポリウレア樹脂を簡単に施工できるキットを1缶に収め、重機不要、かつ少ない人員で対応でき、早期の交通開放が可能であることを説明した。
その他のプレゼン技術は次のとおり▽超耐シーラーTF2000▽高耐久保護シート(防災イエローシート)▽連続鉄筋コンクリート舗装用斜交メッシュパネル▽山留め式擁壁「CSWR工法」▽フラッドエース▽高含水泥土改良剤MTシリーズ▽コンクリート湿潤・保温養生シート(潤王「うるおう」)▽トルクデータを活用した多数アンカー式補強土壁の品質管理システム▽低水位時開放型フラップゲート▽LiDARスキャナ付きタブレット等を活用した3次元測量アプリケーション(OPTiMGeoScan)▽総合気象GISプラットフォーム「Amatellus」▽SJMM-Dy工法▽一工程式小口径推進工法「アリトン工法(アリトンベーシック)」▽PC-Rev工法▽常温硬化型舗装ひび割れ補修材「スーパーMDシール」▽プラスネット工▽船舶動静共有航行支援システム▽KSボンド▽こんこん(連続打音検査装置)▽N-Jet工法。