▲写真は出前講座、見学会の模様
一般社団法人宮崎県建設業協会は10月26日、県立宮崎工業高等学校の生徒を対象とした出前講座と現場見学会を開催した。建築科の1年生を対象に、建設業が果たす役割や魅力・やりがいを伝える講義を行ったほか、新宮崎県陸上競技場建設工事や県プール整備事業などの建設現場を訪ね、工事の進め方や現場の仕組みを学んだ。
宮崎県建設業協会では、建設産業の健全な発展や担い手の確保・育成、業界のイメージアップを図ることなどを目的に、若年者入職促進や人材育成に係る各種事業を展開。県内工業及び農業高校の建設系学科に通う生徒を対象とした出前講座や現場見学会のほか、就業体験(実施主体は各地区協会)に積極的に取り組んでいる。
出前講座では、龍南建設株式会社の深川浩史氏と、2年前に建築科を卒業した同社の谷口未彩氏が、建設業に関する講義を実施。地域の安全や安心、人々の快適な暮らしを支える建設業の役割を説明するとともに、建設ビジネスの仕組み、土木と建築の違い、地場ゼネコンの取り組み、必要な資格、現場を支える最新技術を紹介した。
また、工程・出来高・出来形・品質・安全・原価を管理することや、現場に携わる人達が気持ちよく仕事ができるようにまとめあげることが、現場監督の仕事であることを説明。自身の経験を交えながら、「出来上がった構造物には、携わった人の想いやドラマが詰まっている」として、将来、建設業で活躍してもらうよう期待を込めた。
現場見学会は、宮崎市内で工事が進む県プール整備事業の建設現場で開催。グループとして施工を請け負う鹿島建設株式会社の担当者が、国スポ・障スポで使用するプールだけでなく、余剰地に放送局や大学施設、モールの整備を行うことや、プール施設の平面計画を説明したほか、若手社員を例に一日の仕事の流れを紹介した。
説明後には、施工中の現場の内外部を見学しながら、巨大なタワークレーンや工事の進捗状況等を説明するとともに、安全第一の作業を心掛けていることを説明した。参加した生徒からは、休暇や資格に関する質問が寄せられ、仕事の魅力に関する質問に対しては、ゼロから皆で協力して建物を造り上げ、それが地図に残ることを挙げた。
当日はこのほか、都城市で施工中の新陸上競技場建設工事や、宮崎市で施工中のリゾートホテル増築工事の現場も訪ねた。参加した生徒は、「初めて間近で建設現場を見ることができた。見学会で学んだことを、学校での勉強や将来に役立てたい」と話した。