延岡市は、第2次津波避難施設等整備計画基本方針を策定した。「逃げ遅れゼロのまち」に向けて、避難速度や避難可能距離の考え方を見直し、避難困難地域に新たに22地区を指定。このうち、地域の中に避難場所として指定が可能な施設・高台がない4地区では、効果的な場所に津波避難タワー等の施設を整備するとした。
これまで実施した津波避難施設等整備・確保の検証や、津波からの逃げ遅れを防ぐための新たな計画の策定に向けて、市は外部有識者や区長・民生委員等で構成する「延岡市津波避難施設等の整備・確保に関する検討委員会」(三宮基裕委員長=九州保健福祉大学教授)を設置。検討内容を踏まえ、取り組むべき対策等をまとめた。
基本方針では、避難速度や避難可能距離の再設定を踏まえ、22地区を避難困難地域として抽出。このうち、北浦町阿蘇や熊野江町、須美江町など18地区では、地区内にある高台や施設を避難場所として追加指定する一方、これらが存在しない▽北浦町古江▽大武町▽川原崎町▽長浜町―の4地区では、新たに避難施設を整備する。
具体的には、北浦町古江地区で約500人が避難できる津波避難タワー等の施設整備、川原崎町で約100人が避難できる津波避難タワー等の施設整備、長浜町で約200人が避難できる津波避難タワー等の施設整備を行うとともに、大武町では地域の特性に応じた施設等整備を行い、津波避難困難地域の解消を図る。
基本方針ではこのほか、検討委員会からの提案3項目に沿った対策も明示。津波避難路の整備継続や避難場所への簡易トイレ等の配備、避難ビルへの地震解錠ボックスの設置推進、避難場所の入口の追加や避難場所に応じた誘導表示の整備検討、備蓄拠点となる大規模な備蓄倉庫の整備検討などに取り組むとした。