宮崎県県土整備部は、8月21日に更新した2023年度公共事業の発注見通しに、一般競争入札(総合評価落札方式)で行う「国道265号十根川工区(仮称)十根川2号トンネル工事」を追加した。施工延長は248mで、工期は約14カ月。工事規模は15億円以上22.8億円未満。計画では、第3四半期に発注する予定でいる。
国道265号は、小林市を起点とし、西米良村、椎葉村、五ヶ瀬町、熊本県山都町、高森町を経由して阿蘇市に至る総延長約200㎞の路線。このうち十根川バイパス区間は、椎葉・五ヶ瀬間における唯一の未改良区間であり、バイパス整備や現道拡幅を通じて、通行車両の安全性の確保や救急医療施設等へのアクセス性の向上を図る。
県では2012年度から当該工区のの事業に着手。全体の整備延長は約2800m(幅員7m)で、このうち起点側(十根川地区)の約925mは整備済。当初計画では、区間内に橋梁7箇所やメタルロード2箇所、トンネル3箇所の整備を計画しており、全体事業費を約52億円、完了予定年度を21年度と設定していた。
一方で、労務単価の上昇や週休2日の実施に伴う諸経費として事業費が大幅に増える見込みとなったため、当初計画を一部変更。区間内の橋梁やメタルロードを路側工(補強土壁等)に、トンネル1箇所を現道拡幅にそれぞれ変更するなどして事業コストの縮減を図り、事業費の増額を当初想定の約30億円から約23億円に圧縮した。
21年度時点に於ける残区間の主要構造物は、橋梁が34m・40m・85mの3箇所、トンネルが394mと248mの2箇所。変更後の全体事業費は75億円で、21年度末時点の進捗率は事業費ベースで31・4%となっている。用地補償や整備計画の見直し等に時間を要したため、整備完了予定年度は32年度に延長する。
県が更新した発注見通しでは、このうち延長248mの「(仮称)十根川2号トンネル工事」を追加した。場所は椎葉村下福良で、工期は約14カ月。工種は土木一式工事。入札は総合評価落札方式(簡易型・特別簡易型等)で第3四半期に行い、CCUS、週休二日、ICT、地産地消評価、快適トイレの対象とする。