▲写真はセミナーの模様
株式会社竹中工務店九州支店と協力会社でつくる九州竹和会(中村隆元会長)は、7月11日に宮崎県立宮崎工業高等学校で「建設業魅力発信セミナー」を開催した。九州竹和会や安全衛生協力会宮崎支部が主体となり、建築科2年生の生徒を対象に出前授業を開講したほか、様々な職種の技能体験イベントを通じて建設業の魅力をPRした。
建設業の喫緊の課題である担い手の確保及び育成に向けて、九州内の高校や専門学校の学生らを対象に開催しているもの。開始式で挨拶した竹中工務店九州支店の有津均支店次長は、「ものづくりの基本が分からなければ、施工管理や設計はできない」として、体験を通じてものづくりを学び、将来の進路の参考にしてもらうよう呼び掛けた。
九州竹和会の中村会長は、人間が生きていく時間や場所を構築していくのが建築であり、「汗をかいて頑張った分だけ、出来高として目の前に積み上がっていく」と仕事の魅力を紹介。「セミナーを通じて、五感を使って専門工事業の魅力を肌で感じ、将来、多くの人々に喜ばれる建物を私達と一緒に造ってもらいたい」と期待を込めた。
出前授業では、セミナーの実行委員長を務めた長瀬貴之氏が、高齢化が進む技能労働者の現状を説明。課題の解消に向けて、週休2日の確保やCCUS(建設キャリアアップシステム)の推進など、業界全体で処遇改善に取り組んでいることを紹介した。
また、建設業界に於けるひとづくりとして、外国人の技能実習生に対する安全教育や作業教育の模様を紹介し、教育の重要性・必要性を説いたほか、建設業界が注目を集めている今、女性にも活躍できるチャンスがあるとして、女性活躍の一例を紹介した。
各班に分かれて行われた業種施工体験では、九州竹和会の会員企業が個別に体験ブースを設置。足場体験では、事前に校内に設置していた足場を上りながら各部位の役割を学んだり、フルハーネスを装着することで足場からの墜落を防げることを学んだ。左官体験では、職人から綺麗に仕上げるポイントを学び、珪藻土塗りに挑戦した。
生徒達はこのほか、塗装前の下地処理及び塗装体験、サッシ窓組立取付及びシール打ち体験、タイル切断及び貼り体験、壁石膏ボード貼り体験、タイルカーペット貼り体験、電気配線の結線及び器具付け体験、塩ビ配管の切断及び接合体験、空調機器の取付体験に挑戦。建設現場のものづくりを、実際に見て、触って、体感していた。
参加した生徒は、「様々な職種があることは知っていたが、教科書に載っていないことや将来に直結することを実際に体験できて新鮮だった」「セミナーで学んだことや体験したことも視野に入れて、将来の進路を選択する際の参考にしたい」などと話した。