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災害時の処理体制構築へ努力 宮崎県産業資源循環協会

      

▲写真は挨拶する山下会長、表彰式、総会の模様

 一般社団法人宮崎県産業資源循環協会(山下栄会長)は6月7日、宮崎市内で2023年度「第11回通常総会」を開催した。総会では、22年度事業実績及び収支決算、23年度の事業計画案及び収支予算案などを原案どおり承認。議事に先立ち行われた表彰式で、功労者表彰や優良事業所表彰、優良従事者表彰の受賞者の功績を称えた。

 挨拶で山下会長は、プラスチック資源循環促進法や太陽光パネルの老朽化問題といった、昨今の産業廃棄物処理業界を取り巻く動向に言及。また、自然災害の激甚化によって懸念される災害廃棄物に関して、一昨年に九州・沖縄の各県協会で災害廃棄物処理の相互支援協定を締結し、九州内での支援体制が構築されつつあると述べた。

 一方で、11年4月に運用を開始した優良産廃処理業者の認定に関して、未だ県内企業の認定数が低調にあることに触れ、会員各社に認定に向けた前向きな検討を求めたほか、会員数の減少傾向に歯止めをかけることに加え、許可取得者に対する一般会員の加入促進、賛助会員の増加にも注力し、組織の強化を目指していく考えを示した。

 河野俊嗣宮崎県知事の祝辞を代読をした環境森林部の殿所大明部長は、本県の産業や魅力が温暖な気候や豊かな自然環境に支えられており、協会が携わる環境保全の取り組みが今後一層重要になると指摘。循環型社会づくりのリーダーとして、資源循環や廃棄物の適正処理の推進、不法投棄の防止活動等に取り組んでもらうよう求めた。

 議案審議では、22年度事業実績及び収支決算、23年度事業計画案及び収支予算案、役員補充案などの各議案を原案どおり承認。23年度の事業計画では、資源循環のための再生利用促進や不法投棄・不適正処理の防止、関連団体や行政からの受託事業のほか、優良産廃処理業者の認定や災害廃棄物対策等を推進することを確認した。

 具体的には、みやざきリサイクル製品の認定や活用促進、再生利用に関する相談受付、不法投棄防止啓発キャンペーンの実施、優良認定取得相談窓口の設置のほか、産廃処理業界の課題解決に向けた調査・研究、各種講習会及び研修会の開催、組織の拡大強化とコンプライアンスの向上、災害廃棄物の処理体制の構築等に取り組む。

 総会ではこのほか、理事の補充選任案及び専務理事の選任案として、理事に県南支部の柳橋恒久氏(富岡建設)、専務理事に永友万博氏(前協会事務局長)がそれぞれ就任することを承認した。

 総会に先立ち行われた表彰式では、功労者表彰を受賞した原敏晴氏(原建設)と井上博功氏(井上商店)、優良事業所表彰を受賞した▽日栄建設▽小林衛生公社▽藤田資材―の3社、優良従事者表彰を受賞した▽太田原貴寿氏(旭興産)▽外村和弘氏(伸洋土木)▽山浦健氏(南国興産)▽佐藤靖則氏(栄高産業)▽田畑歩氏(木田建設)―の5人に対して、山下会長から表彰状と記念品が贈られた。

 受賞者を代表して謝辞を述べた井上博功氏は、「栄えある受賞は、業界の皆様の支援と指導のたまもの」と周囲の協力に感謝の意を示すとともに、「今後ますます職務に精励し、産業廃棄物処理業界と地域社会発展のために邁進していく」と意気込みを語った。