▲管理棟、キャビン棟、関之尾茶屋のイメージ
都城市は、開会中の市議会定例会に上程した2023年度当初予算案に「関之尾公園リニューアル事業」として18億6354万円を盛り込んだ。22年度にまとめる実施設計等を踏まえ、23年度は管理棟やキャビン棟等の建築工事及び関連工事、水源開発、樹木植栽などを実施する予定。24年度のグランドオープンを目指す。
市を代表する景勝地及び観光資源である「関之尾滝」を中心とした関之尾公園に関して、雄大な自然を守り、活かしながら、アウトドアライフを体験できるキャンプフィールド等を整備し、体験コンテンツを創造するなど、観光交流拠点施設としてリニューアル整備することにより、更なる観光誘客と交流人口拡大による地域活性化を目指す。
設計段階から民間事業者のノウハウを取り入れるため、昨年4月に公募型プロポーザルで実施設計及び管理運営業務委託事業者を一体的に募集し、風憬社・スノーピーク・黒岩建築設計共同体に決定した。設計事業者に対して管理運営目線で助言を行い、設計やデザインに反映させる。設計業務の履行期間は23年3月24日まで。
対象敷地の面積は約15万㎡。このうち緑の村エリアには、滞在型及び通過型観光客を受け入れ、市の魅力を発信する観光拠点施設に加え、観光案内や宿泊受付、レストラン、物販ブース、休憩スペースを併設した管理棟、多様な利用形態に対応し、自然を楽しめる宿泊施設(キャビン・トレーラーハウス・キャンプサイト)を整備する。
現在の滝の駅には、軽食等の販売形態を備えた一般来訪者も利用可能な休憩施設(関之尾茶屋)を整備。市の特産品である都城茶を使用したテイクアウト中心の形態とし、施設内には高台から臨む田園風景を楽しみながらくつろげる開放的なデッキテラスやバーカウンターを設ける。前面に一般駐車場を整備し、来訪者の利便性向上を図る。
北前公園のキャンプフィールドは、既存公園の地形を利用した大区画のフリーキャンプサイト(最大99サイト)。キャンプに必要な資材を備える管理棟や流し台、トイレ・シャワーに加え、車いすや家族連れも利用可能な家族シャワー室を整備する。
関之尾滝周辺には、これまでと違う角度(真横)から楽しむための展望所を整備するとともに、北前公園から女滝までの遊歩道を整備する。園内遊歩道には休憩スポットや踊り場、希少植物等の案内板も設置し、園内の周遊性や回遊性を高める。
市は、こうした施設整備に係る費用として、23年度当初予算案に18億6354万円を盛り込んだ。23年度に各種施設整備や土木工事、水源開発、樹木植栽等を行い、24年度のグランドオープンを目指す。アウトドア大手のスノーピークが管理運営するキャンプ場としては、南九州で初、県内では唯一の施設となる。