宮崎市は、新庁舎建設基本構想案をまとめ、ホームページで公開した。行政としての機能性やコスト面を重視し、現敷地に建て替える方針を示していた新庁舎に関して、整備に係る基本方針をはじめ、機能や規模、概算事業費、スケジュールなどの基本的な考え方をまとめた。市内居住者等を対象に、3月15日まで意見を募集する。
基本構想案では、防災拠点施設としての耐震性や洪水による浸水の危険性、分散化・狭あい化、駐車場の機能不足、ユニバーサルデザインへ及び環境への配慮、デジタル化の遅れといった現庁舎が抱える課題を整理。上位計画との整合性を図りつつ、「持続可能なまちづくりを支える機能的な庁舎」を新庁舎の基本理念に掲げた。
基本理念に基づき、①市民に快適なサービスを提供する庁舎②市民の安全・安心を守り続ける庁舎③職員の生産性の高い働き方を実現する庁舎④カーボンニュートラルの実現を牽引する庁舎⑤適正なコストにより整備・維持管理できる庁舎―を基本方針に設定。こうした基本方針を踏まえ、想定される機能やスペースを整理した。
基本方針や将来の職員数、類似規模の庁舎事例を踏まえ、新庁舎が備えるべき面積を4万1000㎡と設定。建設候補地に関しては、現在地及び宮崎中央公園の一部について比較・検討を行い、市民の利便性や防災拠点の確保、まちづくりへの影響、事業の実現性及び事業費の観点から、現庁舎敷地に建設することを決定した。
新庁舎の配置計画では、1棟に集約して建て替える配置案を基本に検討を進めるが、事業費抑制の観点から、仮設庁舎()を必要としない分棟型の配置案も含めて、基本計画内で精査する。新庁舎の階数はいずれも12階建。概算事業費は、1棟集約型の配置案で約319.2億円、分棟型の配置案で約297.5億円を見込む。
事業手法に関しては、財政負担軽減に寄与しないECI方式とリース方式を除外するとともに、今後、新庁舎の施設条件等を再整理し、従来方式やDB方式、PFI方式などの新庁舎建設に望ましい手法を改めて整理して、基本計画で最適な手法を選定する。
今後は、来年度に実施する基本計画の策定で、導入する機能の整理や建物配置、建物内部の空間構成、事業手法などの基本設計に向けた要件整理を加速させる。現段階での想定スケジュールは、24~25年度に基本・実施設計、26年度に建設工事に着手し、最短で31年度の全庁運用開始、33年度の事業完了を目指す。