宮崎市は、経年劣化や設備の不具合等で2022年4月から一時休館している「高岡温泉やすらぎの郷」について、民間事業者を対象に行ったサウンディング型市場調査の結果を公表した。地元企業や観光・建設業など13社が調査に参加し、施設の更なる魅力向上やハード・ソフト整備、公民連携に関して様々な意見が寄せられた。
市場調査は、温浴施設としての機能を維持したまま、稼ぐ施設としての再生を図るため、地域に有益な運営方法や市場性の有無、市場価値を高めるアイデア等を確認するために行ったもの。今回の調査では、事業者同士のマッチングの機会を創出するため、参加した事業者名も公表している(公表の希望が無かった事業者は業種を表記)。
既存施設の所在地は高岡町小山田1953番地。調査対象は、温泉棟や管理棟、研修室棟などの温泉施設(延べ2095m2程度)、やすらぎ健康広場(7600m2程度)、駐車場(第2駐車場含む)、浄水施設等を含む施設エリア全般とした。
このうち、施設のハード整備に関しては、「井戸水が豊富なため、サウナを増やして水風呂を充実させると良い」「サウナに特化したり、キャンプ場を併設するなど、そこに行く目的をつくることが大事」「グランピングやトレーラーハウス、キャンピングカービジネスは競合が回りにいないため有効」などの提案があった。
一方、ソフト面では「定休日は無くした方が良い」「定期的にイベントを開催することが重要」「複数の事業者がジョイントして運営する必要がある」などと提案。公民連携では、「建物は譲渡、土地は貸与、コンセッション方式は事業者のリスクが少ないため参入しやすい」「建築費にかかる補助はあった方が良い」などの提案があった。
今回の調査で、高岡温泉やすらぎの郷の魅力やソフト・ハード面、公民連携手法など、様々な提案があったことを踏まえ、市は今後、施設の運営主体や運営方針、改修方針について検討を行い、2023年3月を目途に施設方針の方向性を示すとしている。
参加企業は次のとおり▽ムカサ企画室グループ▽加藤工機▽コモン・アクアエンジニアリング▽FOF▽生目緑地建設▽山口運送▽木花・青島活性化プロジェクトJV▽アシストプラス▽エースランド▽宿願成就▽エストレジャー▽建設業1者▽設計コンサル業1者。
《調査結果の概要》