建設ネット企画画像 四角 四角

建設工事は24~25年度予定 西都市中学校再編計画

 西都市は、魅力ある教育環境の創出等を目的に、銀鏡中学校を除く市内5つの中学校を1校に再編する計画を進めている。新中学校の設置場所は妻中学校(大字右松2534番地)。既存施設を改修するなどして最大限活用し、不足する諸室等を補うため、敷地内に校舎を増築する。2022~23年度に施設整備に係る設計を行い、24~25年度に工事を実施する予定でいる。

 少子高齢化の進展や学校規模の適正化、施設の耐震化等を背景に、西都市内の▽妻中学校▽穂北中学校▽都於郡中学校▽三納中学校▽三財中学校―を1校に再編し、現在の妻中学校に新設中学校を設置する。銀鏡中学校は、他校と比べて通学距離が長いことや、通学可能な道路が限られ、災害時に通学が困難になるため、対象から除外する。

 市がまとめた中学校再編に係る基本・実施計画によると、目指すべき学校像に▽生徒がお互いに認め合い、切磋琢磨する活力ある学校▽指導体制の充実を図り、学力向上に資する学校▽地域と連携し、故郷を愛する心を育む学校―を掲げる一方、学校環境の整備や遠距離通学等への対応、学校跡地の利活用などを取り組むべき課題に挙げた。

 施設整備に関しては、新たな学校建設は難しいことから、妻中学校の既存施設を有効的に活用するとともに、円滑な学習活動のために必要な施設の増築等を行う。具体的には、既存の北校舎(RC造2階建)及び南校舎(RC造3階建)の大規模改修を行うほか、再編に伴い不足する諸室等を補うため、敷地内に校舎を増築する予定でいる。

 現時点では、既設の体育館やプール、運動場に関しては、基本的に現在のまま使用する考え。一方で、学校再編に伴い、生徒数及び教職員数が増加する見込みであるため、隣接する老朽化した公民館を解体し、駐車スペースなど学校用地として活用すること、同じく隣接する勤労青少年ホームを第二体育館として活用することも視野に入れる。

 施設整備に本格着手するにあたり、昨年10月には指名競争で「西都中学校校舎増築工事ほか設計業務委託」の入札を執行し、コラム設計が2100万円(予定価格2716万円)で落札した。当該業務では、既存施設の改修や校舎増築等に係る基本・実施設計を一括して行う。業務の委託期間は23年11月30日までを予定している。

 一方、再編後の学校跡地に関しては、地域の意見を踏まえながら、自治会活動や体育・文化活動の拠点、防災避難拠点など、地域の利活用を優先して検討する。地域での利活用が困難な場合には、地域の活性化につながる転用・貸与・譲渡等も検討する。

 市は21年度に、各学校のPTA会長や校長、地域づくり協議会長で組織する学校再編調査検討委員会、副市長や教育長、関係課長でつくる新中学校設立推進委員会、新中学校の開校に向け必要な事項を検討する新中学校設立推進委員会を立ち上げ、ハード面の整備と並行して、教育課程や学校運営などに関する協議を進めている。

 再編スケジュールによると、こうした検討委員会や推進委員会を継続的に開催しつつ、22年度に施設整備に係る基本設計案をまとめる考え。設計案を委員会に示した上で、委員の意見を反映させながら、23年度に実施設計を行う予定でいる。24~25年度に建設工事を行い、26年4月1日の新中学校の開校を目指している。