宮崎県室内装飾事業協同組合(松本嗣夫理事長)は21日、宮崎市内で社会保険をテーマとした研修会を開いた。参加した多数の組合員や内装士は、国土交通省が進める社会保険未加入対策や法定福利費の適正確保について担当者から説明を受けたほか、法定福利費を内訳明示した見積書(標準見積書)の作成手順などを学んだ。
建設業の社会保険未加入対策は、企業単位で許可業者の加入率100%、労働者単位で製造業相当を目指す対策の目標期限をことし4月に控える。挨拶に立った松本理事長は、社会保険未加入対策の一貫として今回の研修会開催に至った経緯を説明し、「充実した研修会になるよう学んで欲しい」と呼び掛けた。
研修会の講師を務めた九州地方整備局建設産業課の奈木野淳二課長補佐は、建設業をめぐる最近の動向や社会保険の加入状況を紹介。元請企業による加入指導の強化や公共工事における社会保険未加入業者の排除、未加入の建設業許可業者の「見える化」といった社保未加入対策に取り組んでいることを紹介した。
このほか、昨年7月に改訂した社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインに触れ、標準見積書の提出を見積条件に明示することや保険未加入作業員の扱いを定めたことを紹介すると共に、「労働者である社員と請負関係にある者を明確に区分し、社員については保険加入手続を適切に行うことが必要」などと説明した。
一方、宮﨑ユニット工業株式会社の青山健吾常務取締役は、いわゆる「一人親方」の社会保険加入について、事例集や自社での実例を交えながら分かり易く判断基準を説明。このほか、法定福利費の算出方法や適用する保険料率の考え方、適用除外者の取り扱いなどを紹介し、法定福利費を内訳明示した標準見積書の作成手順を示した。