本人情報は「真正性」確保
連載5回目は、技能者の個人情報のセキュリティ対策、社会保険の未加入作業員への対応、他の入場管理システムなどとの違いについて回答してもらった(回答=国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課)。
Q15.ICカードを紛失したら個人情報が漏えいするのではないか
ICカードにはID番号が記録されているだけで、個人情報は記録されません。技能者情報・事業者情報のいずれもクラウド上に蓄積するため、ICカードを紛失しても個人情報が漏えいすることはありません。システムにログインするにはID番号のほか、パスワードなどを入力する必要があります。クラウドにおいては、アクセス制御やソフトウェアの脆弱(ぜいじゃく)性対策など、必要なセキュリティ対策を実施し、万全を期します。
Q16.社会保険に未加入の作業員はシステムで現場入場を制限されるのか
システムには、技能者の社会保険加入状況を登録することが必要となるため、元請け事業者などがシステムを活用して技能者の保険加入、未加入をチェックすることが可能になります。
Q17.登録情報の偽装はどう防ぐのか。発覚した場合の罰則は
システムの利用にあたっては、偽造が発覚した場合の登録の取り消しや登録する際に規約の同意を求めるなどのルールづくりを行う予定です。偽造が発覚した場合のペナルティについては、そのルールづくりの中で詳細を検討します。
Q18.現場に出入りする資材の納入業者の従業員、交通誘導員はシステムに登録できるのか
資材の納入業者の従事者、交通誘導員らもシステムの登録が可能な仕組みとしています。
Q19. 大手ゼネコン独自の入退場管理システム、安全管理システムなど、既に稼働している民間サービスとの違いは
建設キャリアアップシステムは、登録する技能者の本人確認を行い、真正性を確保した情報を業界統一のルールで蓄積することとしており、現在、そのような機能を提供している既存の民間サービスはありません。
なお、建設キャリアアップシステムは、運営主体である建設業振興基金が認定した他の民間サービスとシステム間の連携が可能となるようなシステムを構築することも予定しています。
【つづく】