▲写真はイベントの模様
一般社団法人宮崎県建築士会宮崎支部の青年部と女性部は、8月20日と21日に宮崎市中心市街地のアーケードで「第29回建築セミナー」を開催した。「木育」をテーマに掲げ、子ども達とともに木組みのジャングルジムを完成させたほか、木製の玩具づくり体験コーナーや玩具で遊べるコーナーを設置し、木の魅力にふれあった。
青年部及び女性部が主催する建築セミナーは、建築士としての資質の向上を図るとともに、職能を生かしたまちづくりに寄与することを目的に毎年開催しているもの。コロナ禍の影響で3年ぶりの開催となった今回のセミナーは、子ども達に木の魅力やものづくりの楽しさを伝えることなどを目的として、「木育」をテーマに掲げた。
会場で作成した木組みのジャングルジム「くむんだー」は、国産材を用いた柱や横材を組んで楽しむ木育玩具。イベントでは始めに、くむんだーの考案者で、全国「くむんだー」木のジャングルジム協会の川村克己会長(川村工務店三代目棟梁)が、森に木を植えて、育てて、使うまでの一連の流れなどを写真を使って説明した。
川村会長やイベントのスタッフから組み立て方を学びながら、子ども達はジャングルジムの作成を開始。保護者らの手伝いを得ながら、縦横に組んだ柱と横材に木づちを使ってくさびを打ち込み、1時間程度で高さ約2mの5段組みのジャングルジムを完成させた。せんぐ撒きで完成を祝い、しばらく遊んだ後に、全員で解体した。
会場には、当日参加型の木育イベントとして、木製の玩具づくり体験や玩具で遊ぶコーナーも設けた。川村会長は、「木に触れることで、その肌触りや木目の優しさを体感しながら、思いっきり楽しんでもらいたい」「職人の技を使って、全員で一つのモノを組み立てる達成感や、安全に作業を行う大切さも学んでもらえれば」と話す。
イベントを主催した宮崎県建築士会宮崎支部青年部の山﨑孝紀部長は、子ども達が遊んで、学べる場を提供したいと考え、今回のイベントを企画・開催したことを説明。担い手不足が顕著な昨今の建設業界の現状を踏まえ、「造って壊すまでの一連の過程を通じて、ものづくりの楽しさや魅力を感じてもらえれば」と期待を込めた。