▲写真は挨拶する福澤会長、会場の模様
一般社団法人宮崎県建築士事務所協会(福澤幸雄会長)は12月14日、宮崎市民プラザで「和の住まい推進リレーシンポジウムinみやざき」を開催した。新型コロナウイルス感染防止の観点から、WEBを併用し、定員数を制限して開催。講演やパネルディスカッションを通じて、「和の住まい」に関する知識や見識を深めた。
シンポジウムは、日本の気候・風土・文化に根ざした住まいづくりや、住まい方を含めた日本の住文化の良さの再発見・普及に向けた「和の住まい」の推進を図ることを目的に、国の関係省庁でつくる「和の住まい推進関係省庁連絡会議」と地元の建築関係団体などが連携し、リレー方式で各地で開催しているもの。
開会挨拶で福澤会長は、これからの時代に於いて「和の住まい」が重要になることを強調。「和の住まいを考える有意義な機会。最後までゆっくり楽しんで」と述べた。
シンポジウムでは、「和の住まいのすすめ」をテーマに、文化庁地域文化創生本部の吉野亨調査官、経済産業省製造産業局生活製品課の髙橋淳子課長補佐、国土交通省住宅局住宅生産課の野原邦治企画専門官がWEBで講演。
吉野調査官は、茶道や華道などの伝統的文化が和の住まいに深く関連していることを説明。これからを担う若者世代が伝統的文化を体験し、和の暮らし・空間に関心を持ってもらう施策に取り組んでいることを紹介した。
髙橋課長補佐は、住宅戸数の推移や2050年カーボンニュートラルの実現に向けた木造建築物の推進事業のほか、家具・瓦・畳・建具産業の現状、伝統的工芸品産業への支援事業を紹介した。
野原企画専門官は、木造住宅供給に係る現状や新たな住生活基本計画で設定された目標などを説明。地域型住宅グリーン化事業や大工技能者等の担い手確保・育成事業等を解説するとともに、住まいづくりの目的に適した様々なシーンを紹介した。
横内敏人建築設計事務所代表の横内敏人氏は「暮らしと和の住まい」をテーマに講演。現代における「和」が、日本の伝統と西洋・近代の良い所を足し合わせ、新しい穏やかな秩序を創り出すこと、和の本質が自然を敬い自然と共に生きることと解説するとともに、多種多様な魅力ある伝統的な建築物を紹介した。
パネルディスカッションでは、横内氏と県内で活躍するみやざき木造マイスターの甲斐慎二氏(慎設計/宮崎県建築士会所属)、河野秀親氏(レモン設計室/日本建築家協会九州支部宮崎地域会所属)が、事例紹介などを踏まえ、これからの和の住まいについて意見を交わした。