新商品や新サービスの開発・提供等に取り組む中小企業を支援する中小企業等経営強化法に基づく経営革新制度で、宮崎県は2021年7月にサービス業の株式会社安藤商事(高鍋町)、製材業及び木製品製造業の有限会社竹中製材所(日向市)、すし店の有限会社寿し勝本店(宮崎市)の3社の経営革新計画を承認した。
経営革新計画は、新事業に取り組む中小企業者が自ら経営目標を設定し、経営の質の向上を図るために作成するもの。知事から承認を受けた計画は、政府系金融機関の低利融資や設備投資の減税、特許関係料金の減免などの支援措置を受けることができる。
安藤商事では、建設コンサル業として創業後、株式会社セキドの宮崎におけるドローン販売代理店として事業を展開。今回の計画では、ドローン販売事業を中心とした経営戦略から脱却するため、①高精度ドローンによる建設測量事業②農薬散布事業③ドローン人材の育成事業―の3つの事業を柱に経営革新に取り組む。
①では、建設現場でのドローンによる測量・点検事業にレーザー測量を導入し、高精度な測量・点検と立体画像・オルソ画像の提供サービスを新たに開始することにより、他社に先駆けて技術的に参入が難しい分野に参入し、技術的優位性を獲得する。
②では、高齢化により重い噴霧器を担いで山間部を上ることが困難になった農家の負担軽減のため、ドローンを使った農薬散布を実施。③では、ドローンを扱うことができる県内技術者を養成するため、県内の農業・工業高校と連携したセミナーを定期的に開催する。また、県農業試験場と連携した農家向けの研修会も行う。
一方、製材業及び木製品製造業を営む竹中製材所では、自社で保有する二つの生産ラインのうち、古くから稼働している生産性の低いラインについて、古い機械や設備を利用しつつ、新たに自動搬送設備や自動仕分け装置を導入。これらを組み合わせることで、作業効率及び歩留まりの向上を実現し、売上の増加を目指す。
経営革新制度の詳細は宮崎県のホームページで確認できる。相談窓口は各商工会議所・商工会、宮崎県中小企業団体中央会、宮崎県産業振興機構、中小企業診断士・金融機関など。申請書の提出先は、宮崎県商工観光労働部商工政策課経営金融支援室(県庁8号館5階、電話0985-26-7097)。