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西階公園野球場を大規模改修、基本構想案まとめ 延岡市

 延岡市は「西階公園野球場施設整備基本構想案」をまとめた。既存施設の経年劣化が進む一方で、2027年に本県で開催予定の国民スポーツ大会で、軟式野球及びソフトボール競技の会場として使用される予定となっていることなどから、基本構想案では「現野球場の場所でリニューアル(大規模改修)を前提に整備する方針」を掲げた。

 西階野球場は、県北最大の運動公園である西階公園内に位置。1965年の建設から55年が経過し、施設や設備の老朽化が進んでいる。また、本県で開催される第81回国民スポーツ大会で、軟式野球及びソフトボール競技の会場として使用される予定になっていることなどから、再整備の必要性が指摘されていた。

 さらに、西階公園は、県の地域防災計画において災害時の後方支援拠点に位置付けられており、その中で西階野球場はヘリポート等の役割を担っている。

 こうした現状を踏まえ、今後の西階野球場整備の方向性を決定するため、競技関係者や有識者、地域の代表者等で構成するこうしたこと等から、競技関係者や有識者、市民の代表者等で組織される「西階公園野球場施施設整備検討会議を設置して検討を行うとともに、最新の公認野球規則や国民スポーツ大会中央競技団体の視察による意見等も踏まえ、「西階公園野球場施設整備基本構想」案を策定した。

 現野球場の規模及び設備は、▽総面積=2万0480m2▽建物=RC造3階建、延床面積1108m2▽グラウンド=両翼98m、中堅120m▽フィールド=クレイ(内野)、天然芝(外野)▽収容人数=1万5000人、スタンド席5800席▽夜間照明=照明塔4基(ナトリウム灯・水銀灯)▽スコアボード=パネル式▽駐車場=200台。

 検討会議では、国民スポーツ大会の競技会場としての要件を満たすことが必須であるほか、現在、硬式野球・軟式野球の両方に対応した野球場は、市有の有料施設では西階野球場しかないことを踏まえ、硬式・軟式野球の両方に対応した、現在の西階野球場と同等規模以上の施設として整備することが必要であることを確認。

 その上で、施設整備に必要な敷地を確保できる西階野球場(西階町)、妙田野球場(長浜町)、北方グラウンド(北方町川水流卯)、北浦グラウンド(北浦町古江)の4箇所を整備候補地として比較検討を行い、「交通の利便性や防災の観点等から、現在の西階野球場の場所が最も適している考えられる」とした。

 整備基本方針では、①現野球場の問題点②国民スポーツ大会中央競技団体正規視察による意見③検討会議の意見―を踏まえ、硬式野球の公認野球場としての基準を満たすことや利用者の安全確保、防球対策、諸室の機能向上等を満たす施設整備を基本とし、「現野球場の場所でリニューアル(大規模改修)を前提に整備する」とした。

 既存建物の諸室や設備等はいずれも老朽化しているため、更新または改修の必要がある。また、選手が衝突した際に衝撃を緩和するラバーや波打つ内野スタンド、高さ設置が不十分な防球ネット、設置基数 ・照度ともに不足している照明設備、中堅までの距離の延伸、スコアボード及びファウルポールなども対策の必要がある。

 このほか、新たに整備が必要な施設・設備として、ダッグアウト周辺のラバー敷設といった安全対策、ベンチ裏ブルペンの設置、ベンチ裏アップ会場の確保、放送室と隣接した記録室、スタンド(バックネット裏、階段、一塁・三塁ゲート付近)への屋根設置、観客との動線を分離する選手専用通用口などを挙げた。

 施設整備の検討に際して、国土交通省がまとめた大規模公園費用対効果分析マニュアルに基づき.費用便益分析を算定した結果、生じる費用より発生する便益の方が大きく、実行可能性があるとの結果が得られた。算定に使用した50年間における総費用は32億9400万円(建設費26億7800万円、維持管理費6億1600万円)。

 基本構想案の概要版は、市のホームページや教育委員会、各総合支所及び支所などで公開し、市内居住者等を対象に8月10日まで意見を受け付ける。問い合わせ先は延岡市教育委員会保健体育課(電話0982-22-7033、FAX0982-22-1067、電子メールh-taiiku@city.nobeoka.miyazaki.jp)。

基本構想案の概要版