▲写真はセミナーの模様
株式会社竹中工務店九州支店と協力会社でつくる九州竹和会は、7月6日に宮崎県立宮崎工業高等学校で「建設業魅力発信セミナー」を開催した。宮崎地区の安全衛生協力会が主体となり、建築科2年生の生徒を対象に建設業に関する出前授業を開講したほか、様々な職種の技能体験イベントを通じて、専門工事業の魅力をPRした。
建設業の喫緊の課題である中長期的な担い手の確保及び育成に向けて、県内では2016年度から開催しているもの。開始式で挨拶した竹中工務店九州支店の有津均次長(代読)は、若い世代へ技術・技能のバトンを繋ぐ必要性を強調したうえで、「様々な職業体験を通じて、建設業への興味を深めてもらいたい」と呼び掛けた。
一方、九州竹和会の中村隆元会長は、建設業の最大の喜びが「様々な職種、異なる企業から集まった人達の手で一つのモノを造り上げること」「造ったモノを使用してもらう中で多くの笑顔が生まれること」であると強調。セミナーを通じて様々な職種に触れてもらい、高校生活の思い出の一つとなるよう期待を込めた。
出前授業では、株式会社サトウの担当者が「外国人技能実習生と共に働く」をテーマに講演。外国人が技能実習生として来日するために必要な送り出し機関のトレーニングや検定試験、仕事の中でのコミュニケーションなどについて説明し、外国人と共に働く中で感じたこと、外国人が来日して苦労したことなどを紹介した。
株式会社くちきの担当者は、優れた職長を認定する竹中工務店のマイスター制度について説明するとともに、顧客のニーズや喜びを考えながら仕事に取り組んでいることを紹介した。授業ではこのほか、熱中症対策としてファン付の作業服を使用していることや、現場に快適なトイレを設置していることについて説明があった。
技能体験では、足場の設置及び組立、壁面への珪藻土塗り、タイルカーペット貼り、モザイクタイル貼り、下地処理及び塗装、サッシ窓組立取付及び硝子フィルム貼り、壁石膏ボード貼り、電気配線結線及び器具取付、塩ビ配管の切断・接続などに挑戦。職人の丁寧な指導のもと、実際のものづくりを見て、触って、体験した。
安全衛生協力会宮崎支部の佐藤世紀支部長は、若年層をはじめとする建設産業の担い手不足を念頭に、今回のセミナーをきっかけとして、学生に様々な職種に対して興味や関心を持ってもらうと同時に、保護者に対しても「専門工事業が各職種のプロフェッショナル」であることを正しく理解してもらう必要があると述べた。