建設ネット企画画像 四角 四角

学校施設等長寿命化、予防保全へ長寿命化改修 延岡市

 延岡市は、学校施設の更新や適切な維持管理の指針となる「学校施設等長寿命化計画(案)」をまとめた。今後、一斉に更新時期を迎える学校施設に関して、これまでの建て替え中心の手法ではなく、今ある施設を計画的にリニューアルする長寿命化改修を実施し、耐用年数の延長や財政負担の縮減、予算の平準化、教育環境の充実を図る。

 計画の対象施設は、学校施設に属する幼稚園、小学校、中学校が保有する建築物のうち、小規模な建築物(概ね200m2以下)を除く1園43校の合計171棟。計画期間は2021年度から60年度までの40年間。ただし、概ね5年後、または学校環境を取り巻く情勢の変化があった場合に、計画の見直しを行う。

 計画案では、学校施設を取り巻く環境や老朽化状況を踏まえ、中長期的な視点で計画的な修繕を行う「予防保全」を施設整備の基本方針とし、長寿命化や財政負担の縮減・平準化を図る。施設規模の適正化を図りながら、防災やバリアフリー、地域住民の交流など、様々な機能を有した新たな教育に対応できる学校施設を整備する。

 施設の老朽化対策を効率的・効果的に進めるため、従来型の建て替えを中心とした手法ではなく、既存施設を計画的にリニューアルすることで施設の耐用年数を延ばす「長寿命化改修」を想定する。同手法を実施することで、工事費用の縮減や工期の短縮、建て替えた場合と同等の教育環境の確保、廃棄物量の抑制を図る。

 長寿命化改修を実施し、耐用年数を約90年とした場合、今後40年間の維持・更新コストは約699億円(17億円/年)となり、建て替えを中心とした従来型と比較して、14.3%のコスト縮減が見込まれる。長寿命化を行った場合でも、相応の維持・更新コストが必要となるため、事業手法の見直しやコストの平準化について検討する。

 施設整備の優先順位に関しては、築年数や老朽化状況の実態を踏まえ、施設ごとに検討を行うとともに、社会情勢や教育環境の変化等の条件を加味するため、市の「レベルアップ延岡指導力向上協議会」で定める13のブロックを参考に、学校の現状(児童・生徒数、学級数)を整理して、ブロック単位での整備方針を検討する。

 計画案は、ホームページや延岡市教育委員会総務課、各総合支所の市民サービス課で公開し、市内居住者を対象に3月31日まで意見を受け付ける。寄せられた意見の概要と市の考え方は、個人情報を除いてホームページで公表する。