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水辺空間創出へソフト・ハード整備 本庄川かわまちづくり

 本庄川の流域自治体及び関係団体の代表、有識者、河川管理者らで組織する本庄川かわまちづくり協議会(井上康志委員長=NPO法人みやざき技術士の会理事長)は、3月8日に第2回目の会合を開き、「本庄川かわまちづくり計画書」を決定した。本庄川の水辺空間を活かした「かわまちづくり」の一環として、国富町及び綾町の5箇所を対象に、高水敷整正や親水護岸、管理用道路、トイレなどの整備に取り組む。

 国土交通省が推進する「かわまちづくり」は、地域活性化や観光振興などを目的に、地域が持つ資源や地域の創意に富んだ知恵を活かし、市町村や民間事業者、地域住民等と河川管理者が取り組みを連携することにより、「河川空間」と「まち空間」が融合した良好な空間を形成し、河川空間を活かして地域の賑わいを創出するもの。

 国から登録を受けた「かわまちづくり計画」は、都市・地域再生等利用区域の指定によるオープンカフェの設置など、河川空間の多様な利活用の促進といったソフト施策のほか、治水上及び河川利用上の安全・安心に係る河川管理用通路や親水護岸等の整備といったハード施策に関して、国から支援を受けることができる。

 会合で挨拶した宮崎河川国道事務所の金納聡志所長は、「地域住民、国富町、綾町、関係機関等の緊密な連携による本庄川の水辺空間の検討を目的として開催するもの、今回も活発な議論をお願いしたい」と挨拶。その後、1回目の協議会の振り返りと、これを踏まえた本庄川かわまちづくり計画について、担当者が説明を行った。

 計画のコンセプトは、「本庄川の声を聴き、国富・綾をつむぐかわまちづくり」。本庄川流域の▽塚原橋~太田原橋(国富町)▽本庄橋周辺(前同)▽森永橋周辺(前同)▽三本松橋~上畑橋周辺(綾町)▽小田爪橋周辺(綾町)―の5箇所を拠点と位置付け、水辺での交流や賑わいのある空間創出のためのソフト・ハード整備に取り組む。

 このうち、東九州自動車道の国富スマートICに近く、町内外からのアクセス性に優れた塚原橋~太田原橋では、本庄川かわまちの玄関口と位置付け、季節の花木の植樹やトイレ・四阿・ベンチ、管理用通路の整備を行うほか、水辺へのアクセス性を高めるための高水敷整正や親水護岸を整備し、多世代が交流できる水辺空間を創出する。

 また、本庄橋周辺では、水辺へのアクセス性を高める親水護岸を整備。森永橋周辺には、堤防と河川敷を繋ぐ階段を整備し、自然体験を楽しむことができる空間づくりを目指す。カヌー艇庫や散策路等が既に整備され、多くの観光客が集う三本松橋~上畑橋周辺では、高水敷整正や緩傾斜化、樹木伐採、管理用通路の整備に取り組む。

 一方、サッカーJリーグや陸上の実業団が集う運動公園に加え、多様な利活用が想定される自然環境を有する小田爪橋周辺では、高水敷整正や河道整正、スロープ、緩傾斜化、親水護岸、管理用通路、坂路、トイレ、駐車場の整備を行い、子どもが安全に遊ぶことができ、幅広い世代が交流できる魅力的な空間づくりを目指す。

 会合では、事務局が示したこれらの「本庄川かわまちづくり計画書案」を原案どおり承認。井上委員長が、決定した計画書を国富町の中別府尚文町長と綾町の籾田学町長に手渡した。両町は今後、国土交通省にかわまちづくり計画の登録に向けた申請を行う。