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新体育館建設で29年に現体育館を廃止予定 宮崎県

 宮崎県は、宮崎市宮崎駅東にある現在の県体育館と、延岡市に新設する新体育館の今後の対応方針について、3月4日に開かれた県議会の常任委員会で説明した。新体育館の整備にあたり、施設の集約化を前提とした有利な起債を活用するため、2027年の国民スポーツ大会終了後に現在の県体育館の利用を停止し、28年4月までに廃止する考えを示した。

 27年に本県で開催される国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、県は大会の主会場と位置付ける陸上競技場を都城市の山之口運動公園に、体育館を延岡市民体育館の敷地内に、プール施設を宮崎市錦町の県有グラウンドに整備する。

 このうち、延岡市民体育館の敷地内に整備する新体育館は、低層部がRC造、屋根部がS造と木造、階数は地上2階建で、延床面積は1万2980m2程度。メインアリーナには固定席2008席と可動席1944席、サブアリーナには固定席504席を配置する。既存施設の解体を含む概算工事費は約86.7億円を見込む。

 一方で、宮崎市にある現在の県体育館は、年間4000万円程度の維持管理費を要しており、将来的に両方の体育館を維持するためには、相応のコストが必要となる。また、既存の体育館は、経年に伴う老朽化が進み、空調やエレベーターが設置されていないなど、施設を継続して使用するためには、大規模な修繕や改修が必要となる。

 こうした現状を踏まえ、新体育館の整備にあたっては、充当率90%で、国から50%の交付税措置を受けることができる「公共施設等適正管理推進事業債(公適債)」の活用を視野に入れる。ただし、公適債を活用するためには、新体育館(先行して完成予定のサブアリーナ)の供用開始から5年以内に現在の体育館を廃止する必要がある。

 両体育館の今後の対応方針として、県は、新体育館建設の財源に公適債を活用する考え。現在の体育館は、本県選手の競技力向上のための練習拠点等として、国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会まで活用し、大会終了後に利用を停止して、28年4月までに廃止(解体、譲渡、売却等)する考えでいる。

 これまで現在の体育館が担ってきた主要大会開催等の役割が、円滑に新体育館へ引き継がれるよう事業に取り組むとともに、各競技団体への説明やホームページ及び施設での掲示等を通じて、施設利用者に対する廃止時期の周知を図る。

 新体育館の整備に関しては、21年3月に既存体育館解体~メインアリーナ建設までの建築主体工事を一般競争入札(WTO)で公告する。設備工事はサブアリーナ(1工区)とメインアリーナ(2工区)に分割し、1工区の入札を21年度第2四半期に行う見通し。23年4月のサブアリーナ完成、25年9月のメインアリーナ完成を目指す。