宮崎県は、ダンピング受注の防止や適切な施工体制の確保を目的とした「低入札価格調査制度取扱要領」を改正し、3月15日から適用する。総合評価落札方式で行う建設工事を対象としている低入札価格調査制度に関して、総合評価落札方式で行う建設関連業務に対象を拡大するにあたり、調査基準価格や失格基準価格の設定方法を定める。
建設工事の低入札価格調査制度では、国の算定式に補正係数(1.03)や消費税率、ランダム値を乗じた金額を低入札調査基準価格に設定。同価格を下回った者が落札候補者となった場合、品質や施工体制の確実性を確認するための調査を実施する。合わせて、調査を実施することなく排除する失格基準価格(予定価格の87%)を設定している。
建設関連業務の低入札調査基準価格は、▽測量業務▽建設コンサルタント業務▽補償コンサルタント業務▽地質調査業務▽建築設計業務ーの各業種ごとに定める費用の合計に、補正係数や消費税率、ランダム値を乗じた金額とする。補正係数は、測量と地質調査が1.07、建設コンサルと補償コンサルが1.02、建築設計が1.04とする。
ただし、前述の算定式で算出された低入札調査基準価格が予定価格の80%(地質調査は85%、測量は82%)を超えた場合は、これを低入札調査基準価格とする。一方、適正な業務履行に支障を来すおそれがあり、調査を実施することなく排除する失格基準価格は、予定価格の75%(地質調査は80%、測量業務は77%)と設定する。
発注者は、入札公告または指名通知に低入札価格調査制度の適用対象であることを記載する。開札の結果、調査対象者がいる場合は落札決定を保留し、落札決定保留通知書の通知後、調査対象者に次項各号に定める低入札価格調査書類の提出を求める。調査書類は、開札日の翌日から起算して2日以内に発注機関に持参する。
改正後の低入札価格調査制度取扱要領は、公共事業情報サービスで確認できる。各業務の低入札調査基準価格の算定式(税抜)は次のとおり。
▽測量業務=(直接測量費+測量調査費+(諸経費×0.48))×補正係数(1.07)×ランダム値
▽建設コンサルタント業務=(直接人件費+直接経費+(その他原価×0.9)+(一般管理費等×0.48))×補正係数(1.02)×ランダム値
▽補償コンサルタント業務=(直接人件費+直接経費+(その他原価×0.9)+(一般管理費等×0.45))×補正係数(1.02)×ランダム値
▽地質調査業務=(直接調査費+(間接調査費×0.9)+(解析等調査業務費×0.8)+(諸経費×0.48))×補正係数(1.07)×ランダム値
▽建築設計業務=(直接人件費+特別経費+(技術料等経費×0.6)+(諸経費×0.6))×補正係数(1.04)×ランダム値。