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「新ヒヤリハット報告」、心身の状態に着目 建災防

 建設業労働災害防止協会(建災防、今井雅則会長)は、事故・災害の手前で危険を認知した「ヒヤリハット」の事例をより効果的に収集・分析し、安全衛生活動の高度化につなげる手法「新ヒヤリハット報告」を開発した。労働者の心身の健康に着目してヒヤリハットそのものを減らすとともに、潜在的な危険を実際の事故や災害につなげないレジリエンス能力を組織内で高める。4月にマニュアルを発刊し、現場での活用を促していく。

 従来の安全衛生活動では、物的・管理的対策が中心。建災防は、高ストレス、不眠の状態にある人がそうでない人と比べて1・2~2倍と大きな割合でヒヤリハットを体験していることに着目。「新ヒヤリハット報告」では、労働者にヒヤリハットの報告を募る際、作業内容や発生原因に加え、仕事の量的負担や心身の状態を質問。業務をコントロールできているかや、職場の支援状況も確認し、背後要因を分析してヒヤリハットの減少につなげる。

 さらに、事故・災害に至らなかった背景を「成功体験」と位置付け、積極的な報告を求めるとともに、組織のレジリエンス能力を分析。現場での活動に生かし、ヒヤリハットが事故・災害につながらないようにする。

 15日には、建設労務安全研究会(本多敦郎理事長)が開催するウェブセミナーで新ヒヤリハット報告に関する発表を行う。