環境影響評価法施行令の改正に伴い、2020年度から大規模な太陽光発電事業が環境アセスメントの対象となったことを受けて、宮崎県は「環境影響評価条例施行規則改正案」をまとめた。改正案では、「施行区域面積35㌶以上の太陽電池発電所」を対象事業に追加する。20年度中に公布し、21年10月に施行する予定。
太陽光発電事業は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)により急速に普及して以降、設備の設置に伴う土砂の流出や漏水の発生、景観への影響など環境への影響が顕在化。一部の地方公共団体では、条例で太陽光発電事業の環境影響評価を義務付けていたが、環境影響評価法では、対象事業とされていなかった。
環境省の中央環境審議会が、太陽光発電事業を環境影響評価法の対象とすべきと答申したことを受けて、国は環境影響評価法施行令を改正し、20年4月に施行。4万㌔㍗以上を第一種事業、3万㌔㍗以上4万㌔㍗未満を第二種事業と位置付け、第二種事業の太陽光発電については、事業ごとに環境影響評価の要否を判断する。
同法では、対象事業の規模要件に出力を採用しているが、太陽光発電所が土地造成等の面的開発に係る側面に大きく左右されることを考慮し、県の改正案では「面積(施行区域面積)」を採用。土地区画整理や工業団地造成等では、対象を50㌶以上としているが、太陽光発電事業の課題を踏まえ、「35㌶以上」と規定する。
現行の県の条例施行規則では、太陽光発電所は、施行区域面積50㌶以上で土地の造成を伴う場合に、「その他の土地造成事業」として、条例の対象事業としている。今回の改正で、太陽光発電所を独立して条例の対象事業に追加することで、35㌶以上の案件は、土地の造成を伴わない場合も環境アセスメントが必要となる。
一方で、施行日の前日までに太陽光発電所の設置に必要な許認可を受けているなど、一定の要件を満たした事業は対象外とする経過措置を設ける。
改正案は、県のホームページや県立図書館、県民情報センター、環境森林部環境管理課、各地区の県政相談室で公開し、1月18日から2月17日まで電子申請システムや郵送、FAX、電子メールで意見を募集する。意見の提出先は、環境森林部環境管理課環境審査担当。