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候補エリアについて意見交わす 宮崎市庁舎のあり方検討委

▲写真は会合の模様

 宮崎市は11月26日、宮崎市民プラザで「宮崎市庁舎のあり方に関する市民検討会」(國武久登委員長=宮崎大学農学部応用生物科学科教授)の第2回会合を開催した。市が今年6月に示した庁舎を建て替えで整備する方針に基づき、4つの建設候補地のエリアに関して、利便性や防災、工期、コストなど様々な観点から委員が意見を交わした。

 防災拠点としての耐震性や洪水による浸水の可能性、課の分散化や諸室の狭隘化など、現庁舎が抱える様々な課題を踏まえ、市は2017年に「推定耐用年数である28年までは維持管理を行いながら現庁舎を活用し、その間、基金等の財源確保に努め、建て替えを含めた庁舎のあり方を更に検討する」との方針を決定。

 19年3月には、学識者や関係機関・団体の代表、公募市民らで組織する懇話会が、「建て替えが望ましい」とする報告書を市に提出。今年6月の市議会全員協議会で戸敷正市長は、庁舎を建て替えで整備する方針を示すとともに、現在地を含む橘通り周辺、宮崎駅周辺、中村町周辺、南宮崎駅周辺の4つのエリアを候補地に挙げていた。

 市民懇話会で市が参考として示した建て替えの整備イメージは、現地建替が分棟方式及び1棟集約方式の5パターン、移転建替が1棟集約方式の2パターン。関係法令の制約の中で考え得る最大限の規模(延床面積4・5万~5万m2)を想定し、現地の場合の整備期間を約7年~8.5年、移転の場合の整備期間を約4年と試算する。

 26日の会合では、書面で開催した第1回会合で委員から寄せられたエリアの絞り込みに関する意見を紹介。大型商業施設の開業に伴う経済波及や公共交通機関の利便性等の観点から、「宮崎駅周辺が望ましい」とする意見が最も多く、県の防災庁舎との連携やコスト面等を考慮し、橘通り周辺が望ましいとする意見が2番目に多かった。

 また、11月10日までに13の地域協議会(回答人数124人)から寄せられた意見では、橘通り周辺(現地)が望ましいとする意見が48%、宮崎駅周辺が望ましいとする意見が32%を占めたことを説明。市議会からは、市民への説明責任を果たすことや、しっかりとした資金計画を策定するよう要請があったことを紹介した。

 会合である委員は、防災面を重視し、「四方を公道に囲まれ、活動しやすい場所に建てるのが良いのではないか」と提案。別の委員は、南海トラフ巨大地震が今後30年以内に発生する確率が高いことを踏まえ、「建設期間の短縮を図るため、コスト面では割高になるが、移転して建て替えるのが良いのではないか」と述べた。

 市は、今会合で寄せられた意見を集約し、21年1月に開催を予定する第3回会合で候補エリアの方向性を示す。同年2月に開催する第4回会合で候補エリアに関する委員会としての提言書をとりまとめ、同年3月に市長に提出する予定。提言の内容を踏まえ、21年度以降に新庁舎建設に係る基本構想の策定に着手する見通し。