建設技能人材機構(JAC)とベトナムの送り出し機関は、建設分野に特定技能外国人を受け入れるための労働者提供契約を締結した。送り出し機関は10月までに現地で教育訓練生を募集・選抜し、現地訓練校での日本語教育・教育訓練が11月にもスタートする見通しだ。JACは、訓練終了後に現地で技能評価試験も行い、合格者に就職先となる会員企業を無料で紹介する。
JACは8月27日、現地で訓練生の募集・選抜の役割を担う送り出し機関と労働者提供契約を締結した。送り出し機関が選抜するベトナム人は、JACと提携する訓練校で11月から21年6月まで日本語教育と日本式施工の教育訓練を受けた上で、日本語試験と技能評価試験を受験する。
労働者提供契約では、教育訓練と日本語教育の費用の全額を日本側で負担することで合意。訓練費用はJAC、日本語教育の費用は特定技能外国人を求人する受け入れ企業が負担するとした。受け入れ企業はこの他、特定技能外国人の最低1カ月分の給与を「サービス手数料」として支払う。
建設分野の特定技能外国人制度では、これまで海外試験を行っていないため、在留資格取得者は試験を免除される技能実習修了者らに限られている。今回の労働者提供契約の締結により、8月28日に初めて行った国内試験とともに、海外試験を実施するめども立った。
ベトナム政府は、特定技能の教育訓練や試験を実施する前に、送り出し機関と労働者提供契約を結ぶよう日本側に求めており、契約締結まで至ったのは建設分野が初めて。
JACは、21年3月にも初めての海外での技能評価試験を行う。技能評価試験と日本語試験の合格者に会員企業を無料で紹介し、入国審査などを経た21年11月に日本での就労が始まる見通しだ。